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Channel: 夜噺骨董談義
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皿 バーナード・リーチ作 その4

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人というものは辛い経験を経てなにかを得るものですが、できれば辛い経験などしたくないものです。なにかを得る前に挫折することも多いし、なにかを得ても心に傷を負い、重い荷物を背負うことに大概のケースはなるものですから。辛い経験など人に話すことでもないし、自分で抱えて残りに人生を歩むことになります。しかし、一度だけの人生、どちらがいいかは誰にも判らないものです。

さて本日はバーナードリーチのもっともポピュラーな作品であるスリップウエアの作品です。ただあるようでないのがバーナードリーチのスリップウエアの作品です。

皿 バーナード・リーチ
共箱入 後箱として外箱製作
口径266*高台径146*高さ37



バーナードリーチ本人作のスリップウエアの作品は意外にあるようでないものです。とんとお目にかかれない???



本作品は箱書があって作品に署名があり、きちんとされています。

 

1953年の製作となります。



釉薬も良い出来です。



現在では珍しくないスリップウエアの作品ですが、バーナードリーチやその窯以外には残念ながら出来の良い作品は見当たりません。とくに日本で作られているものにはまったく魅力を感じません。



きちんとした昔ながらの登り窯で製作されていないことと感性と執念が違うのでしょう。



小生が現在の陶磁器に魅力を感ぜず、骨董に注目するのはそのあたりにも要因があります。

民芸の骨董は人を慰める暖かさを持ちます。背筋をぴんと伸ばす感動を与える作品や美しさに眼を奪われる作品など骨董の世界にはいろんな作品がありますが、辛い思いを和らげるもの、才能のないものでも無我夢中で作ったものの無垢さ、そんなやさしさが民藝の一連の作品にはあります。

スリップエアと同じように、あるようでないのが「辛い経験をして得たものがいったい何であったかということを分かり得るか、分かり得たとしてどう体現しているか」という大切なこと。分かるかな 

そうそう、少なくとも徳川家康は分かっていたようですね。下記は徳川家康の遺訓です。

 人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。
 急ぐべからず。
 不自由を常と思えば不足なし。
 こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。
 堪忍は無事長久の基、いかりは敵と思え。
 勝つ事ばかり知りて、負くること知らざれば害その身にいたる。
 おのれを責めて人をせむるな。
 及ばざるは過ぎたるよりまされり。

人の一生というものは、重い荷を背負って遠い道を行くようなものだ。急いではいけない。
不自由が当たり前と考えれば、不満は生じない。
心に欲が起きたときには、苦しかった時を思い出すことだ。
がまんすることが無事に長く安らかでいられる基礎で、「怒り」は敵と思いなさい。
勝つことばかり知って、負けを知らないことは危険である。
自分の行動について反省し、人の責任を攻めてはいけない。
足りないほうが、やり過ぎてしまっているよりは優れている。

徳川家康ほどの賢人が日本の歴史に実在したことを日本人は感謝しなくてはいけません。自分の身の回りにもこのような人物がいないかよくみて欲しいものです。意外にわがままな人間ほど??

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