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Channel: 夜噺骨董談義
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リメイク 松ニ鶴図 岡本秋暉筆 その1

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豊洲問題についての知事の判断は驚くべきものでした。散々議論したはずが突然のユータン案に食のテーマパーク・・・
前任をあれだけ批判しながら説明責任のない判断。「恨みを買い、人気優先」と前にも述べましたように早く都民はこのやり方の欺瞞に気がつくべきと思うのは小生だけでしょうか?

さて週末には家族で小生の誕生会・・。

朝から息子は「ハッピーバースデイトウユー、ハッピーバースデイデイアパパさん、・・・」とご機嫌にお掃除のお手伝いです。



週末にはパパさんから食事もトイレもかたときも離れません。



気分転換に昼は誕生祝ということで外食。



昼寝も一緒・・。



夕方は買ってきたケーキで誕生祝い・・。

「おいおい、蝋燭を消すのはオレだってば・・・」

さて本日の作品紹介です。

男の隠れ家に保管されていた岡本秋暉の作品を帰京に際して持ち帰り、再度資料を製作しています。以前に投稿しているために「リメイク」と題して投稿します。

松ニ鶴図 岡本秋暉筆 その1
絹本着色絹装軸 改装有 軸先木製 時代箱入 
全体サイズ横672*縦1890 画サイズ横515*縦1265



ずいぶんと前に入手した作品ですが、その後二作品ほど岡本秋暉の作品を入手しており、すでに投稿されていますが、同じく鶴を画題とした作品もその中にあります。



以前の投稿では「忘れ去られた画家」として紹介していますが、改めて岡本秋暉について説明いたします。

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岡本秋暉(おかもと しゅうき):文化4年(1807年) ~ 文久2年9月24日(1862年11月15日))は、日本の江戸時代後期から末期に活躍した絵師。通称は祐之丞。名は隆仙。字(あざな)は柏樹。秋暉は画号で、別号に秋翁。

主に花鳥画、特に孔雀を得意とし、「若冲の鶏」「光起の鶉」「狙仙の猿」などと並んで、「秋暉の孔雀」と評される。谷文晁、渡辺崋山、椿椿山ら江戸南画の大家が没した幕末期の江戸で、山本琴谷、福田半香、鈴木鵞湖と共に四大家と呼ばれた。

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孔雀を画題とした作品も投稿されていますので参考にして下さい。


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江戸芝に彫金家・石黒政美(まさよし)の次男として生まれる。政美は幕臣の出だが家を継がず、画を狩野派に学び、彫金は石黒政常について師より一字襲名し、門弟は十数名いたという(『岡本碧巌事績』)。母の実家で、町医者だった岡本家に男子がなかったため養子に入る。

初め奥平藩のお抱え絵師で、南蘋派に属する大西圭斎に弟子入りする。圭斎が没した翌文政13年(1830年)24歳の時、100石取りの奥平藩士・中里彌右衛門の娘文子と結婚し、同年『慊堂日暦』の記事から此頃までに小田原藩主大久保氏に仕えたことがわかる。秋暉の弟子の述懐では、奥平候が圭斎を通じて小田原藩の大久保候に秋暉を推薦したという。

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「大西圭斎」についても作品が投稿されていますので参考にしてください。



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文政12年(1829年)圭斎が死ぬと渡辺崋山に学んだと言われ、「崋山十哲」に数えられる。確かに、束脩を携えて絵の品評を請い、酒を酌み交わしながら画論を交わたという記述が崋山の日記『全額堂日記』にあるが、門人ではないようだ(『椿山尺牘』其四五)。

崋山が蛮社の獄で捕らえられ国元に護送されるのを聞きつけた秋暉は、直ちに一包の浅草海苔を懐に入れて、昼夜兼行追いかけ、追いついたものの面会は許されなかった。秋暉は声上げて泣きなおも篭を追いかけるうちに、それが高名な絵師・秋暉であるとわかり、特別に対面を許された。

崋山は「自分は捕らえられたが、もとより死は覚悟している。これからは先は同門の者たち同士研鑽して良い絵を描き、自分の墓前にかけて欲しい。それが何よりの供養である」といい、形見として自分の涙を拭った白紙を与えた。秋暉は持参した浅草海苔を渡して、崋山の涙痕が点々とした白紙を懐にし、自分も涙を拭いつつ幕吏に厚く礼をして去ったという。

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渡辺崋山の作品も「伝」ですが投稿されています。



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他にも椿椿山、福田半香、菊田伊洲、佐竹永海、松浦武四郎、臼杵藩士國枝外右馬らと交流があった。特に幕府儒者・林鶴梁とは親しかったらしく、『林靏梁日記』に秋暉はしばしば登場する。靏梁は秋暉の絵の注文を取り次ぎ、時に売り込みもし、天保14年(1843年)6月11日条では秋暉は靏梁の紹介で、松代藩主真田幸貫を訪ねている。

安政5年(1858年)の『順席帳』(小田原市立図書館蔵)によると、切米7石3人扶持で広間番の職についており、本来の役職を勤めながら絵画制作に取り組んだと見られる。100石取り藩士の女子の婿としては微禄過ぎるが、これは40歳近くなるまで贅沢な暮らしをしていた秋暉が、絵に専念すべく心機一転して俗世の絆を断って貧乏生活したためだという証言がある。

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椿椿山、福田半香、菊田伊洲、佐竹永海の作品も投稿されています。



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文久2年(1862年)死去。戒名は浄楽院一串秋暉居士。墓は大久保家の菩提寺である教学院。弟子に来日間もない頃のフェノロサと交流し、師と同じく孔雀を得意とした娘婿の尾口雲錦や、荒木寛畝、中村晩山、羽田子雲がいる。

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荒木寛畝の作品は投稿されていませんが、その一派の説明は池上秀畝の作品に記載されています。



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画風は初期は長崎派の影響が強い。その後中国明代絵画、狩野派、円山・四条派などの古画を学習し、写生に基づく鳥獣描写の工夫や華麗な画面構成の追求により、装飾的でありながら格調高く重厚な作風を確立した。

作品は東京国立博物館、出光美術館、静嘉堂文庫美術館、山種美術館、松岡美術館、ボストン美術館等に所蔵されているが、特に摘水軒記念文化振興財団に多くの佳品がある。

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例に漏れず贋作が多い長崎派系統の作品ですが、岡本秋暉はその独特の雰囲気のある作風で特殊な趣を持っています。



記事には記載されていませんが、岡本秋暉と本ブログで取り上げた鈴木鵞湖には共通の知人も多く、面識があったものと思われます。



秋暉の画風は、中国人画家沈南蘋の画風を学んだもので、南蘋の精緻な描写と華麗な彩色は江戸時代中期以降の日本絵画に大きな影響を与えています。



岡本秋暉は渡辺崋山、椿椿山と親しく交わっています。崋山の師、谷文晁は文人画(南画)の他さまざまな画派を学び、江戸時代後期の非常に重要な画家で、谷文晁、渡辺崋山、椿椿山は日本画を語ることでは外すことのできない画家といえます。



最近椿椿山の作品を入手しましたので、後日紹介しますが、さすがに谷文晁、渡辺崋山の真作の入手は難しいようです。



長崎派を組み込んだ日本画の流れの中で岡本秋暉の作品は重要な位置付けにある画家といえるでしょう。



江戸期の作品で杉箱に収められている作品は要注意です。当時は収納箱などない作品が多く、行李に纏めて収納されている作品が多かったからです。

後であつらえた桐箱ではなくきちん時代のある杉箱には優品が多いようです。むろん中身を入れ替えている贋作も多々あるし、鑑識眼のないまま杉箱をあつらえた作品のほうが多いのが現状ですが、箱のない作品にはもっと贋作が多いようです。

吉祥図として描かれた本作品ですが、どこか不気味で、どこか愛嬌があり、そしてどこか異国風でもあります。

似たような作品で本ブログで紹介している作品に下記の2作品があります。岡本秋暉の作品は例に漏れず贋作が多いので、厳選して集めました。



今回も比較検討には念を入れています。



説色不老長春白鶴図 岡本秋暉筆 その3
絹本着色軸装 軸先象牙 中原家旧蔵 玉木環斎並び渡辺華石鑑定箱入 布製タトウ入 
全体サイズ横580*縦2070 画サイズ横420*縦1215








岩上孔雀ニ牡丹図 岡本秋暉筆
絹本着色金泥絹装軸 軸先象牙 渡辺華石鑑定箱 
全体サイズ:横563*縦1968 画サイズ:横431*縦1185







本ブログをお読みの方はお忙しいでしょうが、江戸後期の画家は各々関わりのある画家が多く、作品の数は少ないですが、本ブログで関わりのある画家を検索してみると面白いかと思います。

豊洲問題もすべて過去との関わりからの分析、未来への判断はそこをベースにしていくべき・・。「食のテーマパーク」の発想はどこからか?


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