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月下竹図 寺崎廣業筆 その60

寺崎廣業の所蔵作品は50作品を超えてからは厳選して蒐集するようにしていますが、その中で本作品を入手したのは、この「竹」の描き方が誘因です。

月下竹図 寺崎廣業筆 その60
紙本水墨着色軸装 軸先鹿骨 共箱
全体サイズ:縦2020*横560 画サイズ:縦1090*横410

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この竹の描き方から寺崎廣業と竹内栖鳳の合作による屏風の作品を思い起こせます。寺崎廣業が竹を竹内栖鳳が雀を描いたという作品が下記の作品です。

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参考作品
竹梅図屏風 六曲一双 寺崎廣業・竹内栖鳳合作
思文閣墨蹟資料目録 第462号 作品NO63(P132・133)掲載

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明治43年の暮れ、中将湯本舗津村順天堂(現ツムラ)の創業者として知られる元貴族議員津村重舎の依頼によって描かれた六曲屏風二双のうちの一双に「竹梅図」があり、夫人と眺めていた津村氏が、竹と梅だけでは寂しいので、なにか小鳥でも描いて欲しいと寺崎廣業に所望すると、廣業は「それは竹内栖鳳先生にお願いするのがいい。」と答えたという。

その後十年ほどで寺崎廣業が亡くなり、津村氏が積年の願いを果たすべく、寺崎廣業逝去後14年を経た昭和7年に、津村氏が竹内栖鳳に依頼した作品。この絵をみた竹内栖鳳は「明るい気持ちの良い作品ですね。」と頷き、快諾したという。昭和7年4月18日午後、津村邸を訪れた竹内栖鳳は、4時間ばかりの後に鶺鴒一羽と雀三羽を描き添えて、四羽で4時間という時間を費やして完成した。

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このような作品があるということを覚えていると食指が動くので、かえって覚えていないほうが購入の倹約になると思うのですが・・。

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本作品は上記の参考作品と同じく明治40年代の作と推察されます。

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落款や印章からももっとも多くの作品が遺っている時期の作と思われます。

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本作品は共箱というのも希少価値があります。

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席画のようにさらりと描かれた寺崎廣業の作品には駄作が多いのですが、本作品は清々とした明るい秀作となっています。

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清明とした月夜に掛ける掛け軸として眉目の一作・・。

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