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天女 富田渓仙筆 その4

義父が畑で採った「サツマイモ」が多くなったので、会社に持ってきて皆さんにおすそ分け・・。あっという間になくなりましたが、仕事の需要もこれくらいになると心強いのですが・・。

さて本日はひさかたぶりに富田渓仙の作品の紹介です。

天女 富田渓仙筆 その4
絹本着色色紙軸装 軸先象牙 富田芳子鑑題 二重箱入 
全体サイズ:横650*縦1420 画サイズ:横230*縦260

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手前の花入は浜田庄司の花瓶です。

柿釉面取抜繪花瓶 浜田庄司作
杉共箱入
高さ305*胴径150~125*口径90*高台径102

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初め狩野派、四条派に学んでいますが、それに飽きたらず、仏画、禅画、南画、更には西洋の表現主義を取り入れ、デフォルメの効いた自在で奔放な作風を開いた本作品のような作風が富田渓仙の真骨頂のように思います。

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福岡藩御用絵師だった衣笠守正(探谷)に狩野派を学んだ後、京都に出て四条派の都路華香に師事しています。のち仙厓義梵、富岡鉄斎に傾倒。各地を旅し幅広い研鑽を積み、横山大観にみとめられて、大正4年日本美術院同人。昭和10年帝国美術院会員となっています。

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本ブログでもお馴染みの都路華香に師事しており、そういえば画風に共通点の多い両画家のように思います。

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駐日フランス大使であった詩人のポール・クローデルや俳人河東碧梧桐との交遊も知られています。

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画題の天女は、天部に住むとされる女性のことで、天帝などに仕えているとされる女官の総称です。人間界においては容姿端麗であることを除けば人と大きく変わるところはなく、羽衣と呼ばれる衣服で空を飛ぶとされていますが、この羽衣を奪われたばかりに空に帰れなくなり、地上の男性と婚姻する話(羽衣伝説)などが伝えられています。

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鑑定箱は新たな箱に書付部分が組み込まれた納まりになっていますが、このようなことは改装した際に元の箱に納まらなくなった場合によくあります。

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似たような作品を以前に本ブログに投稿しております。ずいぶん前に「男の隠れ家」にて撮影したもので、画像は鮮明ではありません。

吉祥天 富田渓仙筆 その1
紙本軸装水彩着色絹装古径鑑題二重箱入 
全体サイズ:横*縦 画サイズ:横231*縦560

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上記の作品は富田渓仙には珍しく小林古径による箱書きとなっています。また当時の鑑定の手紙も遺っています。印章は本日の作品と同一印章です。

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吉祥天とは、もと印度神話に毘沙門天の妃として愛欲複祥を司る神として説かれていたもので、仏教では、この神を金銭珍宝米穀など一切の福徳を得せしめる吉祥の天女としています。像は天衣を着け瓔珞を飾り、容姿端麗にして、左手に蓮華または如意宝珠を捧けています。本作品はわりと強い色合いですばやく描かれた渓仙の佳作でしょう。

優しさと美しさを兼ね備えた女性を天女と例えることもありますが、ただこれは女神などと形容する場合と同様に、崇拝に値するという意味です。それ自体は美貌を唯一基準とする個人崇拝の一種ですが、ただし美貌と優しさは意外に兼ね備えた女性は非常に少ない。まして賢さもとなると稀有・・・。ま~、もてない男のひがみか、はたまた男性も同じことというのは女性側の論理か。

*ちなみに小生の連れ合いは優しさと美しさと賢さの三拍子が揃っていますImage may be NSFW.
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