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Channel: 夜噺骨董談義
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茄子 中村岳稜筆 & うり坊

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米吉しから届いた今年の干支の人形の紹介です。



今回はガラスケースに収められています。



ビールを片手にラグビーをする猪・・・。



お尻がかわいい・・。



今年もまた傑作!



角度によって表情が変わるのも面白いですね。



手作り感があってとてもよい作品だと思います。



一体年末に何体作るのでしょうか?



しばらくは茶室の特等席に鎮座。



一個一個が手作り、同僚の作です



さて母曰く、私が幼少の頃に祖父が上京した際にお土産に大塚工藝社の複製された色紙を大量?に買ってきたことがあったそうです。お土産に配ったそうですが、その作品のいくつかが別家である当方にもあり、そのひとつに中村岳陵の「茄子」を描いた作品がありました。



今は男の隠れ家にどこかに収納されているのですが、現在でも大塚工藝社から同じ作品が販売されており、それが上記の作品です。よく見ると印刷ということは一目瞭然なのですが、当時としては画期的な技術だったようです。

その印刷作品とほぼ同図の肉筆の作品を入手しましたので投稿します。

茄子 中村岳稜筆
紙本水墨 色紙 額装タトウ入



川合玉堂の作品でも紹介したようにこのような作品には原画が存在します。何点か同じ構図の作品を描くこともあったようです、まったく同図でない場合もあるようです。



色紙の作品といえども中村岳陵の真骨頂の作品と言えます。



これは肉筆に相違ありません。解りやすい見極め方のひとつに色紙の縁に墨や絵の具がのっているか否かがあります。



これは工芸品の原画というより誰かに差し上げた作品のようです。



きちんとした額に収められています。市販品でこのような色紙額はなかなかありません。



タトウに黄袋が付いています。



印章と落款は下記のとおりです。白文朱方印「▢▢荘」のようです。この印章はいくつかあるようです。右は他の真作の印章です。

 

最終的な真贋は後学としますが、おそらく真作でしょう。

自分の過去のものをひとつずつ清算していくような局面が骨董蒐集にはあるようで、因縁を感じる作品に出会うことがあるものですね。

この度の年末年始の休暇で帰省した際に、「大塚工藝社」の作品を探してきました。上記の中村岳稜の「茄子」と徳岡神泉の「蜜柑」の作品がありました。

中村岳稜の「茄子」(大塚工藝社製)





 

工藝印刷でも色紙の縁には色がついている場合があります。全体が滑ったように滑らかな点で工藝作品と判断するのが一番でしょう。

徳岡神泉の「蜜柑」(大塚工藝製)





 


裏には「大塚工藝社」の印があるので、工芸品とすぐに解るのですが、この印を何らかの方法で消去している作品がインターネットオークションで肉筆として出回っていますので、印刷か否かを疑ってよく見ることが必要です。

中国には水孔版画というもっと精巧な工芸作品がたくさん出回っていますが、肉筆を思っている方が数多くいます。これは素人には見極めができないものですので、当方のような素人は中国絵画には手を出さないことが原則だと思っています。

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