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舟乗人物文瀬戸絵大皿 江戸期

週末は息子と自転車の練習ですが、まだ補助輪をつけたままです。庭ではスピードを出してはしゃぎいでいますが、「補助輪をとろうか?」というと「まだ・・・」というレベルです。まだ外に出すには危ないと思っていたら、いつのまにか家内と宅急便を出すために遠出したようです。

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横断歩道は手を上げて渡るものと教えていたら自転車でも挙げている・・・Image may be NSFW.
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さて小生は本日は人間ドックへ・・・。先月に胃カメラと大腸カメラを同時に受診したばかりなのであまり気乗りしませんが・・。

本日の作品紹介はひさかたぶりに「瀬戸絵皿」の作品です。

瀬戸の絵皿は非常にごつくて使いやすく?・・、ただ重い! 家内が絵柄が面白いと料理の皿に喜んで使ってくれています。絵柄が面白い作品は人気が高く意外に入手に手こずる作品群ですが、それほど効果ではありません。

舟乗人物文瀬戸絵大皿 江戸期
合箱
口径375*高台径*高さ65

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瀬戸の煮〆皿は江戸末期から瀬戸で大量に作られた雑器中の雑器です。

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絵付けされた絵瀬戸皿の特徴は呉須や鉄釉で絵付けされていて、皿の縁取りが広く取ってあること、高台が厚めに低めに作ってある事などです。煮〆を盛るのに良い感じなので、煮〆皿とも呼ぶようです。

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大量に作られたが故に、そこに描かれた絵や文字は、手慣れた筆裁きによる無意識の美を表しています。器に描かれた絵や文字の中では初期伊万里、桃山唐津と並んで第一級のものとも評されます。瀬戸の煮〆皿として、石皿、馬の目皿、そして絵皿があり、その代表的な作品が本作品のような絵皿です。

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総称して石皿とも呼ばれますが、石皿の名前の由来はいくつかあるようです。「韓国の石器を思わせる所から、石皿」、「釉薬に長石を使うから、石皿」というような感じらしいです。はっきりした由来は分からないようです。

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本作品は何ともユーモラスで人物や太湖石、草花が生き生きと描かれています。省略の中に絵付けの技を見ます。なんともよい味わいを醸し出しています。高台内まで釉薬が掛けられた作品は少なく、大きさも稀にみる大きさで注文されて作った作品と推察されます。

これらの皿は石皿、馬の目皿、絵皿、行灯皿などそれぞれの特徴を持った呼称は多々ありますが、数が多い作品群です。ただ近年は古伊万里らと同様に評価は低いものとなっていますので、意外に廉価にて蒐集できます。今一度見直されてもよい作品群でしょう。

本ブログにて10作品ほどのこの作品群に属する作品を取り上げましたが、その中から同系統の作品をいくつか改めて紹介します。

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瀬戸焼:愛知県瀬戸市とその周辺で生産される陶磁器の総称。 日本六古窯の一つ。

東日本で広く流通し、瀬戸物は陶磁器を指す一般名詞化した。 鎌倉時代の陶工『加藤景正』が中国の南宋へ渡り技術を学び、その後美濃で開窯したのが 瀬戸焼の始まりという説がある。中国から伝わる陶磁器を模倣したものが多く、美しい 釉薬に印花文などを施したものが焼成されている。 室町時代には日用雑器が多く作られるようになり、 桃山時代から江戸時代には茶の湯の隆盛と共に茶陶の生産が多く、 瀬戸黒・黄瀬戸・志野・織部などが焼成された。 江戸時代1800年初頭には有田焼から染付磁器の製法が伝わり 磁器の製造が始まり、磁器の生産が主流となる。

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絵瀬戸:瀬戸系の陶窯でつくられた絵のある陶器の一種。絵はすべて釉下で、主に鉄絵で中には胆磐(たんぱん)をあしらったものもあります。文様は簡素放胆で花井類が最も多く、李朝陶器の影響を多分に受けています。古窯を発掘した結果によると文禄・慶長(1592-1615)の頃に始まったものらしいです。そしてその頃のものに最も佳品が多いようです。器は皿・鉢・茶碗などで中でも皿類が多いようです。絵瀬戸と絵唐津とは時代も作風もほとんど同じで、原料に差異があるだけであります。

*胆磐:昔から黄瀬戸、灰釉などのワンポイント模様として重宝されています。この胆磐を水で濃く溶き、釉掛けした釉薬の上にワンポイント模様として塗ります。濃い部分は焦げた感じになり、薄い部分は濃緑になります。濃い部分は流れ気味になります。

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江戸時代後半の瀬戸窯は、現在の瀬戸市の中央に位置する瀬戸村を中心に登窯が増加するなど最盛期を迎えます。その製品は瀬戸村を例にすると、茶碗・湯呑・皿などの食膳具をはじめ、植木鉢・火鉢といった住用具、甕や半胴といった貯蔵具など、日常生活におけるやきもの需要の急速なたかまりを背景に、様々な釉薬・技法を施した新たな製品が数多く生み出されるなど、産業的なエネルギーは蓄えられ、19世紀の磁器生産開始へと続く時代でした。

こうした産地の盛り上がりがあった時代に、石皿・馬の目皿・行燈皿などの絵皿は生み出されました。そこに描かれたものは、吉祥を表わす鶴や松、絵柄の組合せで意味を成す判じ絵、園芸ブームを背景とした朝顔などの花木であり、まさに当時の江戸を中心として発展した庶民文化を表わしているといえます。さらに、絵付の軽妙でのびのびとした自由な筆運びは庶民の「粋」の精神、遊び心をより刺激したことでしょう。子供の絵のような作意のない描き方は、限りなく素朴の世界へと引き込まれる、味わい深い古民芸品といえます。

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改めて本作品を観てみましょう。

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貫入が釉薬にありますが、安っぽくなくていいですね。近代作の粉引などの貫入はなかなかこのような貫入にはなっていません。

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何を描いたかよく解らないは絵の描き方は中国の古染付などの影響によるものと推測されますね。

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ともかく自由奔放・・・。

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ひとつひとつが簡略化された図柄で実に洒脱だと思いますが如何でしょうか? 料理の盛り付けが楽しくなると思いませんか?

瀬戸の絵皿の文様と息子が自転車に乗ってうれしそうな笑顔とに似たところがあります。骨董は愛嬌が大切・・・。

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