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一茶句意名月 酒井三良筆

当方のブログにて作品を紹介している趣旨には売買目的は一切ありません。またアクセス件数も目的でありません。あくまでも作品整理の一環ですのでその点はご了解ください。

さて茶味?のある日本画というと小杉放庵、小川芋銭、そして酒井三良の三人の画家を上げる方が多いと思います。南画的でありながら、山水画ということはなく素朴な題材で日本人の気風にあった作風の絵を描いた画家と言えるのでしょう。

一茶句意名月 酒井三良筆
古紙水墨淡彩軸装 軸先象牙 共箱 
全体サイズ:横670*縦1330 画サイズ:横*縦

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「一茶句意名月」という題名から小林一茶「名月をとってくれろと泣く子かな」という句を基に描いた作品と推察されます。

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子どもの無邪気な願い、そして親子の情愛がほほえましく表現された句であり、理屈抜きで忘れられない句ですね。

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ま~実際にそのようなことを言う子供はいないと思いますが、禅画にもある「水面に映った月に手を伸ばす猿の作品」が背景にあるのでしょう。こちらは実際にないものへの欲というものを示していますので、子供の無邪気さとは違う示唆の作品ですが、共通して考えられるのは「人間とは生まれながらにそのような欲や願いがある」ということでしょう。

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人の成長とはある意味で己の欲との闘いでもあり、欲とは生きているものの性なのでしょうね。

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和紙に描かれ趣のある作品に仕上がっています。

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人は寿命が延びているぶんだけ生き方の幅が広がっていますが、その分だけ生き方も難しくなっているように思います。

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働けるだけ働いて残りの余生を愉しんで死するという生き方ではなく、働く期間と死する間に何かができる時代になっていますが、そこに生きがいを見出せるか否かがどうもポイントのようです。どうもそれが現代を生きる者の「名月をとってくれろと泣く子かな」ということかと・・・。

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夏用の扉に入れ替えた茶室に飾ってみました。

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手前は南蛮焼の双耳花入れです。

なお本作品は「酒井三良展 ふるさとを描きつづけた画家」(2001年8月4日~2001年9月2日)に出品されています。

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喜多方市美術館、やないづ町立斎藤清美術館 三島町交流センターやまびこで開催された際にこの作品集が発刊されています。

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筋の良い作品に絞って蒐集しているとこのように由緒ある作品が集まるようになるようです。




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