Quantcast
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3062

新冬 平福百穂筆 昭和7年(1932年)冬頃

最近NHKで放映され始めた「令和版 牡丹灯篭」が面白そうです。さて息子が描いたお化けの絵、曰く「眠いお化け」だそうです。眠いお化けだから「目の下にクマがあるだよ!」???? 「クマ」・・・、「熊」??? 本気でそう解釈しているらしい。家内もとりたてて説明せず黙殺Image may be NSFW.
Clik here to view.


ともかく小生の机から紙やハサミ、セロテープ、糊などが紛失してはなにやら作っている息子です。ちなみに日本のお化けにも歯があるらしい・・・。

Image may be NSFW.
Clik here to view.


本日の作品の紹介です。

我が郷里の画家で最も贋作が多いのは平福百穂の作品でしょう。出来の良い作品も多く、ようやく最近になって少し判別ができるようになってきました。本日紹介するのはおそらく画帳に描かれていた作品を掛け軸に表装したものでしょう。

新冬 平福百穂筆 昭和7年(1932年)冬頃
紙本水墨淡彩(画帳外し)絹装軸 軸先象牙 共箱二重箱
全体サイズ:横625*縦1280 画サイズ:横418*横280

Image may be NSFW.
Clik here to view.


この作品は出来、落款、印章から最晩年に描かれた真作と判断されます。

Image may be NSFW.
Clik here to view.


表具はキチンとしています。表具からも真作と判断されることはあります。軸先は象牙でしょう。

Image may be NSFW.
Clik here to view.


二重箱の蓋の欠損はよくあることで、おそらく落としたことによる欠損なのでしょう。

Image may be NSFW.
Clik here to view.


平福百穂の作品は一応きちんと印章は確認しておきましょう。というのは印章や落款を非常にうまく似せている贋作が多いからです。この作品の印章は間違いなく真印です。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
 Image may be NSFW.
Clik here to view.
 Image may be NSFW.
Clik here to view.


中央に画帳外しと解る折れ目があるような作品には工藝作品は少なく、贋作にも滅多にないことなども真作と判断できる要素ではあります。

平福百穂には工藝作品が多くあるので要注意です。迷うのが下記のような作品です。

工藝色紙 伊豆の峠 平福百穂筆 大正11年(1922年)頃 
紙本水墨淡彩色紙  
画サイズ:縦270*横240

Image may be NSFW.
Clik here to view.


一応額に入れて飾ってはみたものの工藝作品の疑いが払えない作品です。

Image may be NSFW.
Clik here to view.


平福百穂の作品、というより昭和の初めの頃の著名な画家の作品全般に言えることですが、この頃には精巧な工藝作品が出回っていたようです。

Image may be NSFW.
Clik here to view.


この作品は色紙の作品ですが、精巧な掛け軸の作品も肉筆か手彩色(要は印刷作品や版画の工芸品)かの区別が難しい作品があります。

Image may be NSFW.
Clik here to view.


落款と印章はまったく真作と同じです。強いて言うと大きさが違うことがある。大きさまで揃えることを防ぐために古い印章の資料はわざと大きさを変えてある場合もあります。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
 Image may be NSFW.
Clik here to view.


この平福百穂の作品の落款にある「白田草堂」については他の所蔵作品「老松図 平福百穂筆」(大正13年(1924年)頃)の作品にもある落款ですが、他の存在する「伊豆の峠」という題の工藝作品と構図であり、落款、印章が全く同じであることから、本作品もまた工藝品と疑いが高いです。

*色紙の工藝作品についてはまた後日記事を投稿する予定です。

Image may be NSFW.
Clik here to view.


印刷か否かくらいはルーペでドットをみると解ると言いますが、素人判断では全くわかりません。

Image may be NSFW.
Clik here to view.


色紙から絹本を一回剥がして色紙に張り付けたことから工芸品か否かの判断を難しくしたのかもしれません。ただ肉筆の可能性が全くないとも言い切れません。

Image may be NSFW.
Clik here to view.


最近では「鮎」を描いた扇面の作品は印章が真印と大きさが違うので返品したこともあります。この作品は一応後学のために手元に置いておくことにしました。これらは骨董における一種の「お化け」のようなもの・・・。

本日紹介している「新冬」の作品は肉筆の真作です。このような判断は数多くの平福百穂の作品を扱わないと判断できないようです。

Image may be NSFW.
Clik here to view.


「新冬」の作品を展示室に飾りました。なお手前は柿右衛門の観音像です。

Image may be NSFW.
Clik here to view.


この作品は「新冬」と題されていますので、10月から11月ころでしょうか? 亡くなる前年の秋となりますね。

Image may be NSFW.
Clik here to view.


画帳に描いた作品を掛け軸にし、共箱としたと推察されます。

Image may be NSFW.
Clik here to view.


二重箱の蓋は直せます。

Image may be NSFW.
Clik here to view.


このような筋の良い作品は直しておくことがいい思います。

Image may be NSFW.
Clik here to view.


これもまた蒐集する者の務めですね。

*現在修理中です。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 3062

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>