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Channel: 夜噺骨董談義
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織部滑車 江戸後期

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土曜日に出張から帰ると玄関先はたいへんなことになっています。



そういえば植木屋さんが来るといっていた・・・。安全対策は大丈夫??? 見て向ぬふり・・・



さて本日の作品です。これは実際に滑車として使用していた織部焼の作品です。織部は桃山期から江戸初期までの作品が珍重され、江戸期の作品は意外に評価が低いのですが、本日の作品のようにちょっと面白いものもあります。

織部滑車 江戸後期
誂箱
径245*高さ52



織部釉のほどこされた瀬戸焼きの滑車。



実用向きのものとして多くは江戸末期に制作されたもので、今でも京都の大徳寺、下賀茂神社にある井戸に織部の滑車が掛かっています。



後年、茶人に飾りものなどとして好まれたようです。



実際に井戸などで水を汲み上げるためにロープをかけて使われていたことにより、あちこちに擦り傷があるなど使用した跡がみられます。



調べてみると織部の滑車はかなり数多くあるようです。



む~、こういう作品もあったのかと我ながら新発見! 



まさか陶磁器を実際の井戸に滑車として使っていたとは・・・



当然、出来不出来はあるようですが、意外に市場に廉価で数多く流通しているようです。



主に江戸末期時代に作られた織部焼であり、後年にその釉薬や文様のデザインが茶人に好まれ、位に高い寺院やお屋敷で、茶室に近い傍らの江戸に飾りとして用いられてたようです。



織部以外にも御深井焼などもあったようです。



実用品としての評価でしょうか?

参考作品
織部滑車
愛知県一宮市立博物館蔵
サイズ:高5.3cm 径29.5cm



骨董店で販売されていますが、釉薬や絵付けが一般的な作品(要は出来のよくない作行の作品)は市販品で5万円程度かな?



織部釉が最後にただ漬けて掛けられている作品(このような作品がほどんど)より、流して掛けられている作品のほうが味がありますね。ちょっとした差が作行に大きく影響しています。



初期伊万里のお猪口で一杯・・・



展示室には亜流の陶磁器?が並べられています。この4種がそこのような陶磁器かを答えられる人はそうはいないでしょう

骨董は日常の用いられたもの、ただ時代ともに変遷しているので現代を生きる人には分からなくなるようですね。今の100円均一の器しか使わなくなる? 

そもそも今の人に磁器と陶器の違いが判る人が何人いるだろうか? 伊万里、備前、瀬戸、益子の違いすら分からないのだろう。マンションに住んでしまうと庭木を剪定することもなかろう・・。それはある意味で寂しいことだが、今の都会では骨董も剪定もかなりの贅沢・・。


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