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Channel: 夜噺骨董談義
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氏素性の解らぬ作品 御妃尊図(仮題) 棟方志功筆

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いくら雪が少ないといっても正月はそれなりに積雪しました。社を庭内に抱える男の隠れ家は今年も風情のある景色になりました。



座敷はそれぞれ近郊のある社の方向に毎年のようにお供えがされています。



時間がなかったので床の誂えはいじりませんでした。



昨年少し直した蔵・・・・。



扉もきれいになって、開けやすくなりました。



内部には緊急時の扉もあります。火災の際にはここが開けられます。古い蔵には必ずこのような細工のされた隠し扉があったものです。



扉や窓をメインに修復し、密閉度が高まり、虫などが入りこまなくなり、さらに内部にあった多くの未整理の作品は別の場所を移動し、本来の蔵の姿に戻ってきました。



ここで残っている未整理の作品は会食で使う食器類のみ・・・、とはいえまだまだかなりの量があります。



元旦は皆で吹き抜けの下で郷土料理をいただきました。



ときおり、雪が落雪する音でびっくりしていますが・・・。



出てくる食器は意外にほどんどが自作や家族が作った作品です。ただ中には大正期のものも・・・、一応縁起物を選んだようです。女性陣は蔵にあった埃を被った作品を使うには抵抗があるようです



さて本日の作品は棟方志功らしきもの、棟方志功の作品は当方の手の届かぬ高嶺の花ですが、母方の叔父がいくつかの作品を所蔵していた頃に見せて頂いたことがありました。

下記の作品は叔父が亡くなった後に手放されたようです。

肉筆画 棟方志功画
紙本着色額装タトウ入 
画サイズ:縦340*横490



他の色紙の菩薩を描いた作品もありましたが、同じく同時期に手放されたと聞いています。有名な「二菩薩釈迦十大弟子」も全揃いであったそうですが、蔵整理時に他人にあげたそうです。価値も解らぬ若い時に惜しいことをしたと叔父が悔やんでいました。戦後のすぐの頃に生活の苦しかった棟方志功が木材で潤っていた郷里で売りに来たのを叔父の父が購入していたそうです。



叔父は叔父の父が亡くなった際に蔵を整理した際に春画がたくさん出てきて、それらと一緒に処分したとのこと、惜しいことをしたものですね。

当方では下記の作品を本ブログで紹介しているのが唯一の棟方志功の作品です。

乞使 棟方志功版画
紙本淡彩版画 額装 
額サイズ:縦390*横300 作品サイズ:縦185*横135



乞使は「愛染□・金槐板畫の内」と説明されています。昭和22年の初の版画集の作品です。

本日紹介する作品はなにやら氏素性の解らぬ作品です。色紙に描いた作品の裏に描かれた肉筆の作品ですが、むろん真贋は不明です。

御妃尊図(仮題) 棟方志功筆
紙本淡彩色紙 額装 
作品サイズ:縦270*横240



拾い物のようなお値段ですが、なんとなく気に入って展示室に飾っています。



絵が描かれた色紙の裏の描かれた作品。誰の描いた昨比でしょうか? 「□畝」と落款が読めるので、荒木寛畝一門の画家かもしれません。賛には「入舟の うしろについて 泳ぎいく」かな? 「うしほ句」とサインがありますが詳細は不明です。 



色紙の裏面に画描く?



色紙の表面には別の跡もありますが下書きではないようです。



題名は「御妃尊図」としましたが、仮題です。棟方志功の描く菩薩の題名はよく解りませんね。



筆には勢いがあります。



すべて肉筆のようですが、模写もたくさんあるでしょうから模写と考察するのが無難でしょう。絵を描いた裏面に描いているので意図的な贋作とは考えづらいのですが、よくわかりませんね。



落款と印章は下記のとおりです。

 

縁があってもすれ違いの多い棟方志功の作品ですし、棟方志功の作品は高値でもあり小生には無縁の画家なのかもしれないと覚悟しています。


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