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秋の野 安田靭彦筆

在宅勤務中はどうしても運動不足となりがちで体がなまってきます。そこで休憩時間を利用して、縁側の汚くなったガラス掃除。小生が滅多に行わないガラス拭き・・、愛犬も息子もなにごとかと興味津々・・。

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この縁側は茶室や食堂に直結しているので、近所の方々の憩いの場? 宅急便や工事において玄関替わりに使うこともあります。今までは落花生の皮むき場所??? 日当たりが良く、眺めもいいのでこれからは小生が休憩の場として使おうとしていまます。

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さて本日の作品、展示室の茶室には季節外れの作品・・??? 「秋の野 安田靭彦筆」を飾って愉しんでいます。

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手前の床には石黒宗麿の作品。

線刻草花文花入 石黒宗麿作
共箱
口径55*最大胴径140*高さ255

掻き文様は「葱坊主」・・。季節は4月中旬から5月上旬の頃で「ねぎ」に花が咲きますが、作品の季節感は支離滅裂のようです。

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棚には青古備前の鶴、季節は正月か・・・。

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飾り棚にはお雛様、当然3月・・・。

木彫極彩色 親王雛 市川鉄琅作 その3
応需作品 極彩色 台座付 共箱
男雛単体:幅115*奥行110*高さ110 女雛:幅115*奥行78*高さ110
台座:幅350*奥行き175*高さ68

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本日の主題は掛け軸・・・。

秋の野 安田靭彦筆
紙本水墨淡彩軸装 軸先象牙 安田健一識箱二重箱
全体サイズ:1455*横655 画サイズ:縦415*横500

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安田 靫彦(やすだ ゆきひこ、本名:安田 新三郎):1884年(明治17年)2月16日 ~1978年(昭和53年)4月29日)は、大正~昭和期の日本画家、能書家。東京美術学校教授。東京府出身。芸術院会員。文化勲章受章。文化功労者。

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靫彦は前田青邨と並ぶ歴史画の大家で、青邨とともに焼損した法隆寺金堂壁画の模写にも携わっています。「飛鳥の春の額田王」「黎明富士」「窓」はそれぞれ1981年、1986年、1996年に切手に用いられたことは有名ですね。

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良寛の書の研究家としても知られ、良寛の生地新潟県出雲崎町に良寛堂を設計した。また靫彦自らも皇居新宮殿千草の間に書、『万葉の秀歌』を揮毫しています。

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靫彦は1884年、東京日本橋の料亭「百尺」の四男として生まれています。1897年、帝室博物館で法隆寺金堂壁画等の模写を見、日本絵画協会絵画共進会にて横山大観、菱田春草、小堀鞆音らの作品に感動し、画業を決意しました。

1898年より小堀鞆音に師事し、前田青邨らと共に紫紅会(後、偶々同じ「紫紅」を名乗っていた今村紫紅も参加し紅児会)を結成、東京美術学校に進むも中退しています。

後に岡倉覚三(天心)に認められ、1907年に日本美術院に招かれました。院展の初回より作品を出品し、再興院展にても尽力。肺病に悩まされながらも晩年まで制作を続けています。1974年の『鞍馬寺参籠の牛若』が靫彦の院展出品の最後の作品です。 1978年神奈川県大磯町にて没し、墓所は大磯の大運寺にあります。

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1934年12月3日帝室技芸員、1935年から多摩美術大学美術学部で教授、顧問として教えました。1944年東京美術学校教授となり、1948年に文化勲章を受章。1958年、財団法人となった日本美術院の初代理事長となっています。1959年宮中歌会始の召人(勅題「窓」を詠進)。1965年東京芸術大学名誉教授。東京国立博物館評議員会評議員、文化財審議会専門委員、国立近代美術館設立準備員も歴任しました。なお靫彦の門下に小倉遊亀、森田曠平、益井三重子、岩橋英遠らがいます。 初代中村吉右衛門とは同年で親しく、実兄に吉右衛門一座に在籍した五代目中村七三郎がいました。

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上品でありながらも力強い芯の通った作品を多く残しています。本作品もその一端とうかがわせる作品です。歴史画の大家と謳われた安田靭彦は日本を代表する画家のひとりです。

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箱書きは安田建一氏のよるもので、安田靫彦の所定鑑定人です。

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当方に縁のあった安田靫彦の作品には他に下記の作品があります。

仲国訪小督図 安田靭彦筆
水墨着色絹本共箱二重箱 画サイズ:横425*縦1136

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良寛之図 安田靭彦筆
絹本水墨軸装 共箱 軸先本象牙 
全体サイズ:縦1455*横335 画サイズ:縦580*横337

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繒御本鉢「狗」 六代清水六兵衛作 安田靭彦画
清水六兵衛作・共箱・共布
口径219*高さ97*高台径100

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安田靭彦といえば、良寛の書の研究意外に陶磁器に対する関心も深く、東洋古陶、土偶などの蒐集も行ってたことでも有名です。

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骨董蒐集については当方の師匠にあたる・・・???? 

とにもかくにも安田靭彦は実に品の高い作風を愉しませてくれる今では稀有な画家です。床に飾ると背筋がピンと伸びる作品、「これぞ日本人! 粋な心!!」と感じさせてくる作風です。本作品もその片鱗のある作品で、このような作品が今では少なくなりました。

さてきれいになった縁側、次は座敷の縁側、その次は水屋の前の縁側、その次は茶室の縁側と掃除していこうかなと・・・。

郷里では男の隠れ家に縁側がありますが、日本の縁側は他の国には類を見ない日本のくつろぎの場なのですが、意外にそのことを意識している人は少ないようです。縁側は風通しと日当たりが良く、なおかつ眺めがよい事が必須条件です。しかも片側は必ず障子で床に横になれることであること、鳥と虫の音が聞こえるなどの視覚以外の聴覚、嗅覚にも楽しみがあること。マンションのベランダとは次元の違う楽しみです。


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