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Channel: 夜噺骨董談義
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自作の大きめの皿

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小生が30代の頃、仕事で赴任した地で陶芸を習い始め、週に一回の休みを利用して近くにある窯元に通っていました。主に盛岡市と秋田市で5年くらい通ったでしょうか? 

きっかけは日本画を趣味で習っていた亡くなった家内が、趣味の仲間と窯元で茶碗を作ったことが契機です。家内が茶碗を作ったようですが、小生が「どう見ても漬物入れだ!」と酷評すると、家内が「そんなことを言うなら自分で作ってみなさいよ!」と反論・・。そこで窯元で自ら茶碗を作ってみたのが始まりです。案の定、いくら作ってもうまくいかず、漬物入れの作品の山ができてしまいまいした。しまいに母から「真ん中に穴を開けて植木鉢にしてよ。」と言われる始末・・。実際にガラス屋さんに頼んで穴を開けて植木鉢にした作品も多々あります。これが意外に評判がよかった・・・

意地のなった小生は自宅に轆轤を持ち込んでまで没頭し、ようやく少しづつまともな?作品ができるようになり、茶碗から「たたらつくり」の皿へと幾つかのバリエーションも増え、現在はすこしはまともな作品だけを手元に置いてあります。

本日は休日の土曜日ということもあり、恥ずかしながら自作の作品から大きめの皿のまともそうな?作品を紹介します。

鉄釉呉須蕗文萩手角皿
幅287*奥行247*高さ45

平成元年頃、秋田市保戸野窯にて製作。



秋田市の平野庫太郎氏が作る保戸野窯での作品で、保戸野窯の庭にあった蕗を貼り付けて鉄釉と呉須を吹き付け、全体に灰釉を掛けた作品です。



胎土は萩の土で、網目の文様を付けています。



鉄と呉須の吹き付けと萩の胎土で春から初夏にかけての雰囲気を・・。



作品保存用の袱紗は母が作ってくれたものです。。



次は同じような技法で胎土を変えて作った作品です。

紅葉文様俎板皿 一対
幅310*奥行170*高さ45

平成元年頃、同じく平野庫太郎氏の窯である秋田市保戸野窯にて製作した作品です。



保戸野窯の庭にあった紅葉の葉を貼り付けて鉄釉を吹き付け、その部分に蝋を塗って灰釉を掛けた作品。すべては作りながらその場での思いつきです。



胎土には網目の文様が付けてあります。



蝋抜きと釉薬の掛け具合、そして吹き付けた鉄分、胎土の赤土で変化を付けて、秋の風情・・・、そして料理が映えるように・・・・。蝋抜きの技法も確かこの時が初めてかもしれません。



こちらも作品保存用の袱紗は母が作ってくれたものです。



次はこれらの作品より前に作った作品です。窯元の先生は俎板皿のような作品は嫌がります。窯での場所をとることかのようです。焼成には自分の作品も焼きますから・・・。

鉄釉掛け合わせ角皿
幅293*奥行206*高さ42

昭和60年頃、盛岡市南部窯にて製作したものです。



鉄釉に海鼠釉か灰釉を掛けたもの。釉薬は窯元の木村捨次郎氏にしていただいています。



どうしても素人が大きな俎板皿状のものを作ると、焼成時に割れが入ること多いようです。



この頃から割れを直す金繕いに興味を持ち始めました。



いい茶碗は高い、良き陶磁器は手が届かない、補修も費用が嵩む。すべてお金がなかった頃にいいものを使いたいという欲望から始まり、そしてその欲望は骨董蒐集へとつながっています。人間は欲をエネルギーに変えてまっとうなことを続けなくてはいけませんね・・・??? 

コロナ禍で家ですることがない? うらやましい限りです。小生はまた陶芸をやりたくなっています。時間が足りない?時間がない??




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