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達磨図 その2 下村観山筆 その4 

先週末は「鬼滅の刃」の映画へ・・・。最近の民放のドラマは「24時・・」、「科捜研」、「相棒」とマンネリ化と暴力的で面白くなく、NHK製作ドラマより数段劣るものばかり・・。アニメにも完全に負けているかも・・。

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さて本日は下村観山が描いた「達磨 その2」(「達磨 その1」は投稿済)の作品です。下村観山が描いた「達磨」については当方に父方の祖父の代から「共箱」のみあります。母になぜ「共箱」だけ存在するのかを尋ねたところ「祖父の長男(つまり父の兄)が、よく蔵から箱をそのままにして中身の掛け軸だけを売りはらって遊興代金にしたことがあったので、その箱だけ別の作品保管用に遺したのではないか?」とのことでした。つまり中身を売り払い、箱のみを遺して売り払った事実がばれるのを防いだということか・・。

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よって当方には箱のみ(上記写真:左)、「その1」(合箱 上記写真:左)、「その2」(上記写真:中央)と作品があることになります。

共箱の箱書きは下記のとおりです。箱のみ(下記写真:左)、「その2」(下記写真:右)ですが、両方とも時代に差こそあれ、真作の共箱です。

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下村観山の「達磨図」には一種独特の迫力がありますね。

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本日は「達磨図 その2 下村観山筆」の紹介です。 

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達磨図 その2 下村観山筆 その4
紙本水墨軸装 軸先象牙 共箱二重箱 
全体サイズ:横561*縦2130 画サイズ:横542*縦1280

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達磨は嵩山少林寺において壁に向かって9年坐禅を続けたとされていますが、これは彼の「壁観」を誤解してできた伝説であると言う説もあるようです。「壁観」は達磨の宗旨の特徴をなしており、「壁となって観ること」即ち「壁のように動ぜぬ境地で真理を観ずる禅」の意味です。

これは後の確立した中国禅において、六祖慧能の言葉とされる坐禅の定義などに継承されているもので、このことから達磨が面壁九年の座禅によって手足が腐ってしまったという伝説が起こり、玩具としてのだるまができたそうです。これは縁起物として現在も親しまれていますね。

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永安元年10月5日(528年11月2日)に150歳で遷化したとされますが、一説には達磨の高名を羨んだ菩提流支と光統律師に毒殺されたともいう。

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箱書はしっかりしています。この時点で真作と判断できますね。

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落款と印章の照合では前に投稿している「達磨図 その1」は落款がほぼ同じ、ただし印章が違う印章を用いているため、真贋不詳と現時点では判断した作品ですが、本作品「達磨図 その2」は印章が一致し、落款や出来から真作と断定できる作品です。

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参考にした作品は「苦行」という作品で、思文閣墨蹟資料目録「和の美」第456号 作品NO27に掲載されています。価格は45万円・・。本作品の入手金額は2万円・・。今はこの程度の値段かもしれませんが、いずれにしても贋作が多い下村観山の作品です。審美眼だけが頼りですね。



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