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Channel: 夜噺骨董談義
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萩茶碗「玉づさ」 古賀大眉作 小堀宗慶箱書

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なにやら家内が大枚をはたいて? 購入したお茶碗です。スーパーでも割引商品しか?買わない家内にとっては大きな買い物です・・。

遠州流12世宗家であり、美術に精通していた茶道家でもあった小堀宗慶の箱書きのあるお茶碗です。

萩茶碗「玉づさ」 古賀大眉作
小堀宗慶箱書 共箱
口径146*高台径55*高さ68



箱書には「秋風に初雁が音ぞ聞こゆなる誰がたまづきをかけて来つらむ」と詠まれ、小堀宗慶の花押が記されています。古今集の秋上の歌で、意味は「秋風に乗って初雁の鳴き声が聞こえてくるよ、いったい、誰の手紙を身に携えてやって来たのであろうか。」ということです。




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吉賀大眉(本名:寿男):大正4年、山口県萩市の窯元の家に生まれました。当時萩焼は「伝統的な工芸という枠組みの中での陶芸」という認識による工芸品・商業製品が主で、美術・芸術といった認識ではありませんでした。その現状に疑問を感じた大眉は東京美術学校(現:東京藝術大学)に入学、大学では彫刻を学び、そののち陶芸家・加藤土師萌に師事しました。その後萩に帰郷した大眉は作陶に専念し、「伝統だけの観念にとらわれない」・「伝統を超えた陶芸の美しさ」を追及し、中央の美術展覧会等で精力的に作品を発表しました。芸術院賞をはじめ数々の賞を受賞し、ついには文化功労者・芸術院会員に列せられるに至った大眉はこうして萩焼の陶芸界に大きな足跡を残し、萩焼を芸術にまで高めた作家としてその業績を讃えられています。



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12世小堀宗慶:大正12年(1923)1月14日遠州茶道宗家11世小堀宗明の長男として生まれる。 東京美術学校(現東京芸術大学)在学中、学徒出陣にて満州に従軍。 終戦後シベリアで4年間の抑留生活を送る。昭和24年9月に復員し、翌25年音羽護国寺に於いて、遠州公嫡子大膳宗慶公の号を襲名し、以来茶道界発展に尽力。同37年に12世を継承。「国民皆茶」をモットーに、茶道界のリーダーとして、茶道本源に関しての研究はもちろんのこと、建築・造園の指導並びに芸術・工芸の分野においても幅広く活動している。 特に名物裂の研究、また茶花に関しては当代随一といわれ、また藤原定家の流れをくんだ「定家書風」の第一人者としても有名。 平成4年10月には永年の文化功労に対して、都知事表彰を受ける。また平成5年には勲四等旭日小綬賞を受賞する。平成13年元旦より遠州茶道宗家として13世家元の後見はもちろん、茶の湯を軸として幅広い活動を続けた。



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吉賀大眉には個人作と窯作品とがあるようですが、本作品は本人作の作品ですね。



窯作品は酒井柿右衛門がその最たるもので、窯作品を本人作と勘違いして購入する人も多いようです。完全に商流にのった利益優先の作品群です。浜田庄司の窯にもあります。



萩茶碗というと最近は三輪休雪かな? 坂倉などもありますが、今回の投稿作品はオーソドックスな萩茶碗です。

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