コロナ禍で出席できなかった亡くなった家内の一三回忌と母の三回忌、いろんな挨拶回りの伴う12月26日からの帰郷です。
さて本日の作品は裸婦の作家として知られた洋画家「原精一」の本ブログでは3作品目の投稿です。裸婦そのものの作品は今までもなく、この作品も裸婦とはいえませんが、原精一の魅力ある作品だと思っています。
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バレリーナ 原精一画 1957年作 その3
日動画廊取り扱い 第2回現代日本美術展出品作 油彩額装 誂タトウ+黄袋
F20号 額サイズ 縦940*横820 画サイズ:縦728*横606
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20号となるとかなりの大作となります。飾るところも限られてしまいますが、やはりこれくらいの大きさの絵は幾つかは欲しいものです。
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原精一は1908年に生まれた昭和期に活躍した洋画家です。1957年(昭和32年)の作とすると、この作品は50歳頃の作となります。原精一は高いデッサン力で裸婦画や人物画を多く描き、独特のタッチに繊細な写実力が特徴です。その特徴が良く表れた代表作と言えるでしょう。
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画家を志した原精一は万鉄五郎に師事し、高い絵画技術とその精神を、その後の作品に活かしています。また、戦中画家で2度の招集を受け、戦場をさまよっていた記録があります。しかし、そんな状況の中スケッチを描き続け、その数は数百枚に及び、個展が開かれる程の高いクオリティを保っています。原精一は師事していた鉄五郎の唯一の弟子と言って良いほど個性的な画家でした。
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通常、師事する画家の影響を受けることが一般的なのですが、原精一の場合、作風はまったく別なようです。鉄五郎の特徴あるフォ–ビスム、キュビスムとした作風とは違い、独特な油彩独特のタッチを写実的に描く原精一はこの師弟関係を精神的なつながりと表現しています。強い精神力を宿した原精一は“書く”という作業に取り憑かれ、時間さえあれば作品を描いていたそうです。
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原精一の作品の代表作は「裸婦」ですが、「裸婦」においては憂いのあるような顔つきの女性が果敢なげに遠くを見つめている姿が特徴的で、暖色系を基本とした色彩のバランスや、明るい光りの使い方などで爽やかな印象すらも受けます。
本作品では「憂いのあるような顔つき」というよりも気品に溢れており、ガッチリとした骨太なラインで描かれる女性の姿も独特でインパクトを与えます。まさに、たおやかな人柄ながら芯の通った原精一の人間性を表している作品と言えるでしょう。
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戦後、帰国した原精一は画家として大きく評価を得ていきます。1948年には図画会に会員として迎えられ、1964年まで在籍しています。その期間も同展に自らの作品も出品しています。フランスをはじめとするヨーロッパにも渡り、生涯自らの芸術の真髄を追求していきます。デッサンを通じ、全ての対象物の核となる真実を見出してきた原精一の作品と生き様に、未だなお多くの人々が憧れ、尊敬している画家でしょう。
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画中のサインは下記のとおりです。
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銀座の日動画廊のシール、神奈川県立近代美術館のシールが遺っています。
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キャンバスの裏書、毎日新聞社主催の第2回現代日本美術展においての出品作のようです。
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一貫して裸婦を描き、女体の力動感を描き出そうとした画家とされますが、素速く適確なデッサンには定評があり、『原精一デッサン集』(40年、美術出版社)、『原精一素描集』(54年)、『原精一画集』(58年、日動出版)が刊行されています。
本作品は20号の大作でもあり、当方のお気に入りの作品です。
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神奈川県立近代美術館には同じ画題のほぼ同じほどの大きさの作品が所蔵されているようです。
参考作品 神奈川県立近代美術館蔵
バレリーナ立像 原精一画 1956年作
画サイズ:縦900*横565
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前述のように原精一は、日中戦争から太平洋戦争の8年間のあいだに、二度にわたって召集をうけ、一兵士として戦場をさまよいながら、その間に数百枚のスケッチを描いています。このあいだには、画家として軍の報道部に属したこともあったようですが、「一兵士にして画家であった、兵士でありながらその間にも画家でありつづけた」ということをこの数百枚のスケッチは示しています。それは従軍画家による戦争の記録画ではない。兵士にして画家であった画家のデッサンであったと評されています。この迫力が戦後の原精一の画趣に満ち溢れています。
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神田の額縁屋さんにて痛んでいた額を補修しています。
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タトウを新しくし、バラバラになっていたシール類を裏面に整理しました。蒐集する者は作品のメンテに蒐集するのと同等のコストと手間を費やすのが務めであり、それができない者は蒐集する資格はないと言われています。
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客用のトイレの前の廊下に展示・・・。
さて本日の作品は裸婦の作家として知られた洋画家「原精一」の本ブログでは3作品目の投稿です。裸婦そのものの作品は今までもなく、この作品も裸婦とはいえませんが、原精一の魅力ある作品だと思っています。
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バレリーナ 原精一画 1957年作 その3
日動画廊取り扱い 第2回現代日本美術展出品作 油彩額装 誂タトウ+黄袋
F20号 額サイズ 縦940*横820 画サイズ:縦728*横606
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20号となるとかなりの大作となります。飾るところも限られてしまいますが、やはりこれくらいの大きさの絵は幾つかは欲しいものです。
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原精一は1908年に生まれた昭和期に活躍した洋画家です。1957年(昭和32年)の作とすると、この作品は50歳頃の作となります。原精一は高いデッサン力で裸婦画や人物画を多く描き、独特のタッチに繊細な写実力が特徴です。その特徴が良く表れた代表作と言えるでしょう。
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画家を志した原精一は万鉄五郎に師事し、高い絵画技術とその精神を、その後の作品に活かしています。また、戦中画家で2度の招集を受け、戦場をさまよっていた記録があります。しかし、そんな状況の中スケッチを描き続け、その数は数百枚に及び、個展が開かれる程の高いクオリティを保っています。原精一は師事していた鉄五郎の唯一の弟子と言って良いほど個性的な画家でした。
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通常、師事する画家の影響を受けることが一般的なのですが、原精一の場合、作風はまったく別なようです。鉄五郎の特徴あるフォ–ビスム、キュビスムとした作風とは違い、独特な油彩独特のタッチを写実的に描く原精一はこの師弟関係を精神的なつながりと表現しています。強い精神力を宿した原精一は“書く”という作業に取り憑かれ、時間さえあれば作品を描いていたそうです。
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原精一の作品の代表作は「裸婦」ですが、「裸婦」においては憂いのあるような顔つきの女性が果敢なげに遠くを見つめている姿が特徴的で、暖色系を基本とした色彩のバランスや、明るい光りの使い方などで爽やかな印象すらも受けます。
本作品では「憂いのあるような顔つき」というよりも気品に溢れており、ガッチリとした骨太なラインで描かれる女性の姿も独特でインパクトを与えます。まさに、たおやかな人柄ながら芯の通った原精一の人間性を表している作品と言えるでしょう。
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戦後、帰国した原精一は画家として大きく評価を得ていきます。1948年には図画会に会員として迎えられ、1964年まで在籍しています。その期間も同展に自らの作品も出品しています。フランスをはじめとするヨーロッパにも渡り、生涯自らの芸術の真髄を追求していきます。デッサンを通じ、全ての対象物の核となる真実を見出してきた原精一の作品と生き様に、未だなお多くの人々が憧れ、尊敬している画家でしょう。
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銀座の日動画廊のシール、神奈川県立近代美術館のシールが遺っています。
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一貫して裸婦を描き、女体の力動感を描き出そうとした画家とされますが、素速く適確なデッサンには定評があり、『原精一デッサン集』(40年、美術出版社)、『原精一素描集』(54年)、『原精一画集』(58年、日動出版)が刊行されています。
本作品は20号の大作でもあり、当方のお気に入りの作品です。
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神奈川県立近代美術館には同じ画題のほぼ同じほどの大きさの作品が所蔵されているようです。
参考作品 神奈川県立近代美術館蔵
バレリーナ立像 原精一画 1956年作
画サイズ:縦900*横565
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前述のように原精一は、日中戦争から太平洋戦争の8年間のあいだに、二度にわたって召集をうけ、一兵士として戦場をさまよいながら、その間に数百枚のスケッチを描いています。このあいだには、画家として軍の報道部に属したこともあったようですが、「一兵士にして画家であった、兵士でありながらその間にも画家でありつづけた」ということをこの数百枚のスケッチは示しています。それは従軍画家による戦争の記録画ではない。兵士にして画家であった画家のデッサンであったと評されています。この迫力が戦後の原精一の画趣に満ち溢れています。
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神田の額縁屋さんにて痛んでいた額を補修しています。
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タトウを新しくし、バラバラになっていたシール類を裏面に整理しました。蒐集する者は作品のメンテに蒐集するのと同等のコストと手間を費やすのが務めであり、それができない者は蒐集する資格はないと言われています。
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客用のトイレの前の廊下に展示・・・。