休日には野外トイレの掃除は小生の役目。
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なんでもステンレス製のなまこ鉄板は珍しいとか、杉の無垢の大きな材料は珍しいとか・・。そこで改装して遺した野外トイレです。植木屋さんとか重宝しているらしい。本来は茶事のトイレですが・・。
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さて本日はトイレということで現在は客室用トイレに飾っている作品の紹介です。大用(女性用)と小用(男性用)のふたつのトイレに・・。
南京赤絵は今から350年くらい前の中国明時代末期から清王朝初期に掛けて景徳鎮の民窯で作られた(南京)赤絵のことです。17世紀に入ると各地で農民の反乱が相次ぎ明王朝は衰退しその結果景徳鎮の官窯は消滅したのですが、民窯はしたたかに生き残りむしろ自由闊達な赤絵を作りはじめ、これを南京赤絵といいます。この「自由闊達な」点が日本の茶人から評価され愛好されたので「自由闊達な」点がその作品の本来の持つべき特性と言えるのでしょう。
本日の作品は典型的な南京赤絵の角皿です。同じような図柄や形状の作品が当方に複数が揃ってきました。下記の写真左は以前に本ブログにて紹介された作品です。
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南京赤絵 樹下酔人図角皿 誂箱最大幅139*最大奥行139*高台約92角*高さ28
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主な南京赤絵の特徴は他のブログ記事でも掲載していますが、下記の事項が挙げられます。
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南京赤絵の特徴
①南京赤絵の生地の多くは従来の青味が強い白ではなく乳白色を帯びていているが、これは色彩を一層際立たせる効果があります。
②絵付けには天啓赤絵と違い基本的に染付けは用いず、色釉だけで彩色され、その色数も初期は赤、緑、黄と少なく作風はきわめて豪放です。その後、紺青、紫、黒、褐色などの色が増えるとこれらの色数を組み合わせ繊細華麗な五彩と称される作風へ変化しました。
③当時の主要な輸出品で西欧諸国に売ったものは壷や花生けや蓋ものなど大作が多いが、日本に輸出したものは茶道具あるいは鉢や小皿中皿など食器が多い。
④デザインも日本人好みの余白を十分とった絵画的な構成になっています。
⑤器の縁は鉄釉いわゆる口紅というもので隈取してある。これらは南京赤絵の独特の手法。
⑥高台内は車輪高台で、砂付高台だが、例外もある
⑦評価は寸法によって大いに違い、辺20センチ程度の大きめの作品はかなり高価だが、辺12センチの同じような皿だと数が多く評価が下がる。
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民窯となってからは、釉薬の強い白にはこだわらず乳白色を帯びているようになります。これは色彩を重視することとに長所となりましたが、このことは古九谷にも言えることです。
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ちなみに明末からの「五彩手」の多くの作品と天啓赤絵、南京赤絵の分類は、単に色彩の数だけでは説明しきれず、その境界線は非常に曖昧模糊としていると言えるでしょう。
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景徳鎮の官窯は原料の土にもこだわり、土としての原料が不足してくると危険を冒してまで地中深く掘削して土を得ていたようですが、民窯になると浅くたやすく得られる上質の土ではない胎土を用いたようです。そのため釉薬との乖離が生じて「虫喰い」という状態が発生したりしています。また高台内に鉋の跡が遺っても、砂が付いていても無頓着に作品を量産しています。
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これは当時の日本の茶人らに評価され「当時の主要な輸出品で西欧諸国に売ったものは壷や花生けや蓋ものなど大作が多いが、日本に輸出したものは茶道具あるいは鉢や小皿中皿など食器が多い。」という状況が生まれています。
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「デザインも日本人好みの余白を十分とった絵画的な構成になっています。」というのは量産には都合が良かったからでしょう。古九谷の青手は余白がないのはもっと胎土や釉薬の質が悪かったせいで、色絵九谷は余白が十分にあります。色釉薬、口縁の鉄釉薬など古九谷と相通じるものがあるが、これは古九谷が影響を受けたと言えよう。
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「辺20センチ程度の大きめの作品はかなり高価だが、辺12センチの同じような皿だと数が多く評価が下がる。」とされますが、作品は絵が洒脱で出来のよいものは同一に評価される作品ではないと思います。
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ただし評価が低いとされる「辺12センチの同じような皿」に掘り出し物があるようです。
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高台内の銘は様々で、とくに意味は成していない点は伊万里においても同じですね。ともかく日本の江戸期以前の陶磁器は中国陶磁器とは切っても切れない縁があります。
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ちなみに本ブログでは幾つかの南京赤絵、天啓赤絵、五彩手、さらに明末赤絵の作品が投稿されていますが、素人なりに徐々に内容が整理されつつあります。本日紹介した作品と同じような作品で本ブログにて紹介した作品には下記の作品があります。
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南京赤絵 柳下漁人物文角皿 誂箱最大幅138*最大奥行137*高台約90角*高さ26
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高台のの銘は本作品とは違いますので、揃いで作られたものではなさそうです。
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日本の茶人らは「このようなデザインにして欲しい。」と当時の南画などから考案した下絵まで送って作らせたのでしょう。ともかく日本と中国の陶磁器の関りは尋常でなさそうですImage may be NSFW.
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*この様式には南京手古九谷という日本で南京赤絵に倣って作られた作品群がありますが、この作品らは南京赤絵に属する作品であろうと推察しています。
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なんでもステンレス製のなまこ鉄板は珍しいとか、杉の無垢の大きな材料は珍しいとか・・。そこで改装して遺した野外トイレです。植木屋さんとか重宝しているらしい。本来は茶事のトイレですが・・。
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さて本日はトイレということで現在は客室用トイレに飾っている作品の紹介です。大用(女性用)と小用(男性用)のふたつのトイレに・・。
南京赤絵は今から350年くらい前の中国明時代末期から清王朝初期に掛けて景徳鎮の民窯で作られた(南京)赤絵のことです。17世紀に入ると各地で農民の反乱が相次ぎ明王朝は衰退しその結果景徳鎮の官窯は消滅したのですが、民窯はしたたかに生き残りむしろ自由闊達な赤絵を作りはじめ、これを南京赤絵といいます。この「自由闊達な」点が日本の茶人から評価され愛好されたので「自由闊達な」点がその作品の本来の持つべき特性と言えるのでしょう。
本日の作品は典型的な南京赤絵の角皿です。同じような図柄や形状の作品が当方に複数が揃ってきました。下記の写真左は以前に本ブログにて紹介された作品です。
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南京赤絵 樹下酔人図角皿 誂箱最大幅139*最大奥行139*高台約92角*高さ28
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主な南京赤絵の特徴は他のブログ記事でも掲載していますが、下記の事項が挙げられます。
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南京赤絵の特徴
①南京赤絵の生地の多くは従来の青味が強い白ではなく乳白色を帯びていているが、これは色彩を一層際立たせる効果があります。
②絵付けには天啓赤絵と違い基本的に染付けは用いず、色釉だけで彩色され、その色数も初期は赤、緑、黄と少なく作風はきわめて豪放です。その後、紺青、紫、黒、褐色などの色が増えるとこれらの色数を組み合わせ繊細華麗な五彩と称される作風へ変化しました。
③当時の主要な輸出品で西欧諸国に売ったものは壷や花生けや蓋ものなど大作が多いが、日本に輸出したものは茶道具あるいは鉢や小皿中皿など食器が多い。
④デザインも日本人好みの余白を十分とった絵画的な構成になっています。
⑤器の縁は鉄釉いわゆる口紅というもので隈取してある。これらは南京赤絵の独特の手法。
⑥高台内は車輪高台で、砂付高台だが、例外もある
⑦評価は寸法によって大いに違い、辺20センチ程度の大きめの作品はかなり高価だが、辺12センチの同じような皿だと数が多く評価が下がる。
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民窯となってからは、釉薬の強い白にはこだわらず乳白色を帯びているようになります。これは色彩を重視することとに長所となりましたが、このことは古九谷にも言えることです。
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景徳鎮の官窯は原料の土にもこだわり、土としての原料が不足してくると危険を冒してまで地中深く掘削して土を得ていたようですが、民窯になると浅くたやすく得られる上質の土ではない胎土を用いたようです。そのため釉薬との乖離が生じて「虫喰い」という状態が発生したりしています。また高台内に鉋の跡が遺っても、砂が付いていても無頓着に作品を量産しています。
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これは当時の日本の茶人らに評価され「当時の主要な輸出品で西欧諸国に売ったものは壷や花生けや蓋ものなど大作が多いが、日本に輸出したものは茶道具あるいは鉢や小皿中皿など食器が多い。」という状況が生まれています。
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「デザインも日本人好みの余白を十分とった絵画的な構成になっています。」というのは量産には都合が良かったからでしょう。古九谷の青手は余白がないのはもっと胎土や釉薬の質が悪かったせいで、色絵九谷は余白が十分にあります。色釉薬、口縁の鉄釉薬など古九谷と相通じるものがあるが、これは古九谷が影響を受けたと言えよう。
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「辺20センチ程度の大きめの作品はかなり高価だが、辺12センチの同じような皿だと数が多く評価が下がる。」とされますが、作品は絵が洒脱で出来のよいものは同一に評価される作品ではないと思います。
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ただし評価が低いとされる「辺12センチの同じような皿」に掘り出し物があるようです。
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高台内の銘は様々で、とくに意味は成していない点は伊万里においても同じですね。ともかく日本の江戸期以前の陶磁器は中国陶磁器とは切っても切れない縁があります。
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ちなみに本ブログでは幾つかの南京赤絵、天啓赤絵、五彩手、さらに明末赤絵の作品が投稿されていますが、素人なりに徐々に内容が整理されつつあります。本日紹介した作品と同じような作品で本ブログにて紹介した作品には下記の作品があります。
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南京赤絵 柳下漁人物文角皿 誂箱最大幅138*最大奥行137*高台約90角*高さ26
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高台のの銘は本作品とは違いますので、揃いで作られたものではなさそうです。
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日本の茶人らは「このようなデザインにして欲しい。」と当時の南画などから考案した下絵まで送って作らせたのでしょう。ともかく日本と中国の陶磁器の関りは尋常でなさそうですImage may be NSFW.
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*この様式には南京手古九谷という日本で南京赤絵に倣って作られた作品群がありますが、この作品らは南京赤絵に属する作品であろうと推察しています。