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氏素性の解らぬ作品 古伊万里(古九谷)  草花文蝶図初期赤絵五寸皿 & 草花文初期色絵五寸皿 

夕刻なって家内が「あ! 忘れた!!」と言いながら剪定はさみを持って出かけていきました。少ししたらススキを手に持ちながら戻ってきました。畑からの採取? そう、この夜は中秋の名月・・、重陽の節句、そして中秋の月・・。
家内は台所にあって一升瓶の空き瓶にススキを活けて飾り付け・・、いくらなんでも一升瓶はないだろう・・・。ともかく縁側で恒例の月見と相成りました。その日の夜は寝室のベットからも月を眺めながら熟睡。
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本日紹介する本作品がどのような時代の作品かは当方も確証はありませんが、伊万里焼における「初期赤絵」や「初期柿右衛門」、そして古九谷の五彩手(南京手古九谷)を含んでの分類はそもそもかなり難しいようです。
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氏素性の解らぬ作品 古伊万里初期赤絵? 草花文蝶図五寸皿 口径158*高台径85*高さ37合箱
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古来から古九谷様式と柿右衛門様式の分水嶺は素焼の有無にあり、生掛けが古九谷様式で、素焼したものが柿右衛門様式だと言われてきていたようです。ところが、最近の研究では、古九谷様式を焼いたとされる窯跡から、中・小皿についてですが、素焼した陶片が出土するにおよび、古九谷様式と柿右衛門様式を分類する基準が、中・小皿については、素焼の有無には関係ないことになってしまっています。
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 また、有田町赤絵町旧北島家を発掘調査した結果、その岩盤に近い最下層から、古九谷様式の色絵磁器と柿右衛門様式の色絵の磁器が共伴して出土したとのこと。古九谷様式の色絵と柿右衛門様式の色絵は同時期に存在した可能性が高くなりました。そうすると、現実には、それらの様式の境目に相当するようなものは、どっちに区分していいのかわからないという状況になったということでしょう。
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別の分類として国内需要のために作られたものが古九谷様式、海外輸出用のために作られたものが柿右衛門様式との前提にたてば、従来古九谷様式に分類されていた作品でも、現実に多くが海外に伝世していたような作品は柿右衛門様式に分類替えとなるのでしょう。ともかく最近では、古九谷様式と柿右衛門様式をどこで区分していいのか難しいらしい。
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「初期色絵≒初期柿右衛門手」とするのが解りやすいのでしょう。この初期色絵の作品群の誕生は有田で色絵が始まった1640年代でしょう。中国人によって有田焼の技術革新が行われ、(1次焼成の後に)陶磁器用の絵の具で釉薬の上に彩色を施す技法にて上絵付けを行なう色絵磁器が生産されるようになります。それまでの染付のみの単色の世界から、多彩色になり、当時は画期的なものでした。
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1640年代から1660年代ごろの初期の色絵は、「初期色絵様式」と称されています。赤・緑・黄・青・紫などを使う「五彩手」や緑・黄・紫・青などで器面を塗って埋める「青手(あおで)」などがあります。
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さて「古九谷様式と柿右衛門様式」についてです。初期赤絵の技法が発展した伝世品の「古九谷様式」と呼ばれる青・黄・緑などを基調とした作品は、この時期の有田で焼かれた初期色絵がほとんどを占める事が近年の調査でわかっています。そしてほぼ同時期には有田の技術を基に備後福山藩で姫谷焼の磁器が20年間ほど生産されていました。一方有田では17世紀後半に生産が始まった柿右衛門様式の磁器は、濁手と呼ばれる乳白色の生地に、赤を主調とし余白を生かした絵画的な文様を描いたものです。この磁器は初代酒井田柿右衛門が発明したものとされていますが、窯跡の発掘調査の結果によれば、柿右衛門窯だけでなく、有田のあちこちの窯で焼かれたことがわかっていて、様式の差は生産地の違いではなく、製造時期の違いであることがわかっています。 
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この作品が「有田で焼かれた初期色絵」、「有田の技術を基に備後福山藩で姫谷焼」、「有田で生産が始まった柿右衛門様式の磁器」なのかは当方では知りませんが、どうも思うように区分ができていないのも事実のようです。
そもそも本作品は伊万里ではなさそうな気もします。
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学術研究しているのでもない当方のような蒐集する側からすると、洒脱でいい作品なら中国の明末の色絵でも、日本の古九谷や柿右衛門手でもいいのですが・・。まずは基本的な知識へ得ていないと蒐集する者とも自称できないのでしょうね。
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もう一点・・、氏素性の解らぬ作品・・。
氏素性の解らぬ作品 古伊万里?(古九谷? 草花文初期色絵?) 割れ補修跡有 合箱口径145*高台径*高さ25
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説明は前述の作品とどうもダブりそう・・・。
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氏素性の解らない作品らですが、なにやら面白そうにて入手した作品・・・。我が家ではこのような作品は一升瓶と同じ扱いのようです。
















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