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Channel: 夜噺骨董談義
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古い版画

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母を訪ねて納戸にしまわれていた補修の必要な漆器の話をしました。
「納戸にしまってある漆器を覚えている?」
母「あらそう、もう忘れましたね。」
「修理しようと思っているよ」
母「あら、ありがとう」


津軽塗の補修を依頼したところはかなり親切な対応でした。まけていただいても一客5000円かかるそうですが、いい品であるし、新品同様に治るそうです。仕上げを見ていただきたい、と自信ありげで、仕上がりが楽しみです。

輪島塗もほぼお値段のようですが、新品同様にはならないかもしれません。。目下、交渉中・・、こういう交渉はおなじ技術屋として大事なことです。

さて、今年のお盆も郷里の秋田に帰省しました。もう何年前のことだろう、秋田と青森を襲ったリンゴ台風。家内の実家を直撃し二階の屋根が半分吹き飛ばされました。雨で濡れた屋根裏から出してきた箱の中から古くてぼろぼろの掛け軸が・・。

家族でお金を出し合い、それでも足りなくて災害対策費用を無利子で借りて、まずは屋根や建具を直しました。

その後家の修理が落ち着いてから、少しずつ掛け軸を額装に改装しました。なにしろ家の守り神としてあった掛け軸、骨董店では二束三文どころか、引き取ることさえできかねますと断られそうな作品でしたが、粗雑に扱うことはできません。

不動明王、そして菅原道真公の天神様。写真は暗いところに祀ってあるのでフラッシュの跡があるのはご容赦願います。



それと庚申様。



菊川英山の虎。



これはなんだったかな〜



金毘羅大権現・・、改装して直す時に自分で持ち歩いて現場の安全祈願??



この作品だけはなにやら印章がありますが、どなたの作品だろう??

 

これらは家の2階に私がまとめて祀りました。りんご台風以来、少しずつ、資金を調達しては直してきた家ももう少しで完成です。これも神々のご加護の賜物でしょう。

祖先や神々は大切にしなくてはなりません。仏壇、神棚は大切に・・。信仰、宗教をどうのこうのいうだけではなく、己の力の及ばぬところで世の中は動いているという謙虚な祈りの姿勢を忘れないようという戒めのためにも・・・・。

大切なものを失って人間は初めて己の無力さ、人生の儚さを痛感し、大切なものとは何かを知ることとなります。それを失わぬようにとの願いから神々や先祖を敬うのです。それでも残念ながらいつか必ず失うものです・・。

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