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Channel: 夜噺骨董談義
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悪しき贋作 閑村秋景 (伝)川合玉堂筆

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当方で紹介する作品を贋作と嘲笑う方が多いと思いますが、蒐集は簡単には真作には辿り着けないもののようです。今回は川合玉堂の作品では下記の作品の入手で失敗しています。


贋作考 閑村秋景 (伝)川合玉堂筆紙本着色額装F10号 全体サイズ:縦627*横705 画サイズ:縦455*横530


全体の雰囲気はいいのですが・・。筆致が下手・・・。


描き方に下手さがある・・。


額の裏には共シールがあります。


遠景の山のぼかしがおかしい・・。


川合玉堂の特徴であるすがすがしさがない・・。


絵の具が厚すぎる・・。


どうもしっくりこない・・・。
 
この落款の書体と印章を押印した時期は意外に長い・・。
下記写真左:大正4年「松間漁家図」より下記写真右:昭和7年「湖畔雨後」より
同時期の参考資料と落款に違和感はないが・・。
 
さらには下記写真左:明治43年「蓬莱山水図」より下記写真右:玉堂美術館監修 落款・印譜集から
この書体の落款と印章は明治期から昭和初期まであり、使用期間は長いようです。本作の印影は四隅部分が真印と一致しない。
 
結局はこの作品は贋作と断定しています。不用心なところに飾っておく分には異論はないが・・。


入手に要した費用は5000円なり・・、ま~勉強代金として妥当かな。真作への道のりは長いが、蒐集家が必ず経る道のり。


利点は気軽に飾れることくらい・・。


屋根裏部屋からそのうちに処分すべき作品。



















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