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お気に入りの作品 三猿図(仮題) 倉田松濤 その51 大正2年

倉田松濤の作品は廉価で入手できますが、多作のため当方の一方的な判断だが駄作?が圧倒的に多く、出来の良い作品は厳選するとかなり数が少ないようです。
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インターネットオークションや地元の骨董店にていい作品(基本的に面白い作品)を見かけることがあり、家内も好きであり、値段もお手頃ということもあり、徐々に当方で所蔵する作品数も増えています。
三猿図(仮題) 倉田松濤筆 その51 大正2年紙本水墨淡彩軸装 軸先骨 誂箱入 全体サイズ:横758*縦2150 画サイズ:横610*縦1290
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本日紹介する作品は出来の良い方で、倉田松濤の作品本来のユーモラスな味があります。
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題名は仮称で「三猿図」としておきましたが、よくある「見ざる、聞かざる、言わざる」とは違う題材のようです。どうも相変わらず、倉田松濤の作品は難解ですね。
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一応、「日本における三猿」を調べると下記のような記事があります。
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日本における三猿:日本語の語呂合わせから日本が三猿発祥の地と思われがちだが、3匹の猿というモチーフ自体は古代エジプトやアンコール・ワットにも見られるもので、シルクロードを伝い中国を経由して日本に伝わったという見解がある。
『論語』に「非礼勿視、非礼勿聴、非礼勿言、 非礼勿動」(礼にあらざれば視るなかれ、礼にあらざれば聴くなかれ、礼にあらざれば言うなかれ、礼にあらざればおこなうなかれ)という一節がある。一説に、こうした「不見・不聞・不言」の教えが8世紀ごろ、天台宗系の留学僧を経由して日本に伝わったという。
三猿のモチーフは、庚申信仰の伝播とともに近世以降広く用いられるようになり、主尊の青面金剛を描く際、その足元に三猿が添えられた例が多い。また庚申塔にも多く三猿が彫り込まれている。
天台宗は比叡山の鎮護社の日吉大社と密接な関係にあり、日吉大社を本尊とし、猿を神使とする山王信仰が、庚申信仰と習合した結果ともいう。
三猿以外にも猿の彫刻は8つあり、8つの彫刻は誕生から出産までを表している。南方熊楠によれば青面金剛と猿の関係はインドに起源があり、青面金剛はインドのラーマーヤナ説話の主人公・ラーマの本体たるヴィシュヌ神の転化であり、三猿はラーマに仕えたハヌマーンの変形という。
また庚申の「申=さる」である、庚申信仰で人の悪事を監視して天帝に報告する三匹の「三尸虫」を封じるため、悪事を見ず、聞かず、話さない三匹の猿を出したなどの説もある。江戸中期に出版された『和漢三才図会』の「庚申」の項を見ると三猿の挿絵が添えられている。
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ともかく身近な動物として描かれる猿ですが、本作品はいったいなにを描こうとしたのか??
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相変わらず倉田松濤の賛は難解ですが、読めそうなところまで読んでみました。
「□□ 大正2年歳次癸丑 8月仲浣羽□□野 □國居小様清風處  □以□ 寫□□□白清鍳 百三談画房主人 倉田松濤 押印」
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倉田松濤46歳、大正初期の東京牛込に住み始めた頃の作と推定されます。
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収納箱などもない状態での入手で郷里からの入手です。
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結局、猿をなにの目的で描いた作品か分からずじまい・・・。
当方にて収納箱を誂えました。掛け軸に収納箱は必需品ですね。防虫剤を入れ、巻きシワにならないように、湿気を呼び込まないように保管します。
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倉田松濤の作品は男の隠れ家にも保管されていますが、主に現在は手元の所蔵庫に保管されています。
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当方では掛け軸は画家別の作品整理と掛け軸の長さとに分けて整理していますが、そろそろ保管用の棚が満杯になりました。



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