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Channel: 夜噺骨董談義
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芦葉達磨図 小村大雲筆 その4

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3連休の日曜日には護国寺のお茶会に家内と二人で行ってきました。息子は家内の実家にてお留守番です。



朝早くからお茶会は盛況でした。月光院が修復されたところでの遠州流と表千家のお席と四席にて一服・・、遠州流は珍しくお濃茶でした。



お道具経験も愉しみながら、うら若き女性の着物姿も貴重・・、本当に若い女性は少ない。



本日の作品は「芦葉達磨図」です。

小村大雲が「私の曾おじいさんです。」という方からのコメントを頂き、びっくりしたことのある小村大雲の四作品目の登場です。箱もなく、題名も間違って売られていた作品です。



芦葉達磨図 小村大雲筆
絹本水墨淡彩軸装 軸先鹿骨 合箱
全体サイズ:縦1910*横485 画サイズ:縦1140*横360



落款には「昭和八年□□ 大雲□」とあり、昭和8年、50歳頃の作と推察されます。

2014年2月~3月にかけて生誕130年記念展が島根県立美術館にて開催されました。

本図は「出山釈迦図」と題されていましたが、それは間違いで「芦葉達磨図」です。達磨が梁の武帝を訪れたものの教えの通じないことを悟って一本の芦に乗り、長江を渡って魏へ去ったという故事を描いたもの。しばしば禅林で描かれた画題です。

達磨が梁の武帝を訪れたものの教えの通じないことを悟ったという内容は下記の通りです。



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梁の武帝は仏教を厚く信仰しており、天竺から来た高僧を喜んで迎え、武帝は達磨に質問をします。

帝問うて曰く「朕即位して已来、寺を造り、経を写し、僧(僧伽、教団)を度すこと、勝(あげ)て紀す可からず(数え切れない       ほどである)。何の功徳有りや」
師曰く   「並びに功徳無し」
帝曰く   「何を以て功徳無しや」
師曰く   「此れ但だ人天(人間界・天上界)の小果にして有漏の因なり(煩悩の因を作っているだけだ)。影の形に随うが如       く有と雖も実には非ず」
帝曰く   「如何が是れ真の功徳なるや」
答曰く   「浄智は妙円にして、体自ずから空寂なり。是の如き功徳は世を以て(この世界では)求まらず」
帝又問う  「如何が是れ聖諦の第一義なるや」
師曰く   「廓然(がらんとして)無聖なり」
帝曰く   「朕に対する者は誰ぞ」
師曰く   「識らず(認識できぬ・・・空だから)」

帝、領悟せず。師、機の契(かな)はぬを知り

武帝は達磨の答を喜ばなかった。達磨は縁がなかったと思い、北魏に向かった。後に武帝は後悔し、人を使わして達磨を呼び戻そうとしたができなかったいいます。

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小村大雲:明治16年、島根県楯縫郡平田町(現出雲市平田町袋町)の穀物荒物商、小村豊兵衛とカメの長男として生まれる。明治30年に高等小学校を退校、翌31年両親の許可を得ず単身上京し、橋本雅邦の門や川端玉章の門をたたくが断られ帰郷、親戚会議で親の承認を得、広島で絵の修行をするが、訳あって脱門し、平田の鰐淵寺にあずけられる。

その後京都で修行し明治36年には山元春挙に師事する。大正元年(1912)島根の加賀浦で題材を得た「釣日和」が第6回文部省美術展覧会で第2科3等賞6席に入賞、以後3年連続入選、5年には「畫舫」が第10回文展で特選、以後も特選、無鑑査となる。8年第1回帝国美術展覧会で「推薦」にあげられ、永久無鑑査となり、以後ほぼ毎年作品を出品し、委員、審査員など歴任する。

昭和10年(1935)明治神宮に壁画「京浜鉄道開業式行幸図」が完成。13年、たまたま京都より平田に帰省中の2月20日、54歳の若さで急逝、平田極楽寺に埋葬される。名は権三郎、字は厳座、子荘と称した。別号は豊文・碧雲湖畔人・赤松子・豊瑞・豊花等有り。京都に出て都路華香に師事したのち、山元春挙の画塾早苗会に入門し画法を学ぶ。文展・帝展で受賞を重ね活躍する。昭和13年2月20日(1938)歿。享年54才。

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わが夫婦は今週は自宅の改修の打ち合わせなどでクタクタ・・・、息子は元気・・。




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