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氏素性の解らぬ作品 色絵唐草花文象置物

柿右衛門手系統の色絵の象の置物は古くから日本で数多く作られ、さらに日本を模倣した欧州でも数多く作られていたようです。よってなかなか柿右衛門手の由緒ある象の作品というのは入手できないもののようです。
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氏素性の解らぬ作品 色絵唐草花文象置物誂箱最大幅320*奥行170*高さ360
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当方は陶磁器にはあまり詳しくないで、「氏素性の解らぬ作品」と称する作品が多くなり、蘊蓄のあるコメントを頂くことがありますが、あくまでも「氏素性の解らぬ作品」や「倣」と記していますので、ご覧の方はその点をご了解願います。
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少し大きな作品なので、玄関などに飾るのにいいと思い入手しました。
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柿右衛門様式の象の作品といえば、下記の作品が代表作として挙げられています。
参考作品 ドレスデン王室コレクション象置物1670-1690年頃
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18世紀初頭の創設以来、ドレスデン王室磁器コレクションの数千に及ぶすばらしい中国・日本製の陶磁器群の中でも、日本の西部に位置する有田でつくられる柿右衛門磁器は卓越した地位を占めていました。王が日本磁器を非常に好み絶賛していたことは、柿右衛門および柿右衛門様式の見事なコレクションを通じてのみならず、数多の伊万里磁器を保有したことからも明らかです。
これら東アジア産の独特な磁器は、当時の最も熱心な磁器愛好家のひとりであったザクセン選帝侯・兼ポーランド王のアウグスト強王(1670-1733)によって、ドレスデン日本宮殿という磁器の城を飾るために集められました。王は自分が“陶磁器病”という不治の病に罹っている、と公言するほどだったようです。
18世紀末までにおよそ29,000点の中国・日本磁器がドレスデンに伝わり、包括的に目録化されました。続く数世紀の間にコレクションは深刻な流出に直面しましたが、ドレスデンの目録と共に残された8,000点(および、元はこのコレクションに含まれたがその頃までに世界中の博物館あるいは個人所蔵に散逸したもの)は、今日も独自の記録システムから、アウグスト強王の王室コレクションの一部と特定することができるとか・・・。
ドレスデン美術館(SKD)陶磁館は今日に至るまで、有田で17世紀後半から18世紀初頭にかけて作られ、当時の欧州バロック風インテリアに理想的とされた、最高級色絵の伊万里食器・人形の世界最大のコレクションを擁しています。しかし、王の磁器製作意欲をとりわけ大きくかき立てたのは、えも言われぬ乳白色の素地(きじ)と繊細な色遣いの上絵付けによる柿右衛門磁器の、群を抜く質の高さあったとされます。
ヨーロッパ全土で”白い黄金”の秘密を探る試みが数世紀に亘ってことごとく失敗した後、1709年にヨーロッパ初の硬質磁器製作に成功したのは、ザクセンのアウグスト強王による王室磁器製作所でした。1720年代後半のパリで、”マイセンの柿右衛門模倣品”がフランスの贋作商によって本物の日本の柿右衛門としてまんまと売り抜けられるという妙な出来事が起こります。まだ”新しく極めて難しい磁器素材”に取り組み始めてわずか20年で、アウグスト強王配下の磁器工房は、東アジア産で最も上質で需要の高い器のひとつ、日本の柿右衛門をそっくり真似る事に成功したのです。これにより、王自身のみならずヨーロッパ全土の最富裕層の顧客たちがマイセン磁器の最高級品質を確信するようになりました。
今日に至るまで、ドレスデンの柿右衛門コレクションは多くの地元、全国、そして世界中からの訪問者によって非常に賞賛されています。
博物館スタッフから、そして老若問わずあらゆる観客からも愛される「柿右衛門様式の象」はコレクション全体を代表する大切なマスコットになっているようです。18世紀の目録でこの象は、柿右衛門という用語がまだ使われずに「古いインド製磁器」と記載されています。その目録記載から、合計三体の柿右衛門様式と推定される象が、「緑と赤で彩色された毛布つきの破損した一体の横たわる象」、および「同じく、立姿の象二体」と記録された王室コレクションの一部だということがわかっています。展示室にとりわけ美しく飾られているのが、現存する上記写真の立ち姿の1頭です。
本作品はいずれにしても上記の作品を模倣しているのでしょうが、さらには後述の欧州でのフランス・シャンティイ窯の作品の模倣に近いようです。
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純粋な柿右衛門はまずは白がきれいな作品ですね。
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この作品は釉薬がそれほどきれいではなく、伊万里のような系統かな?
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型の熟練度は高い・・???
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やはりなにか原型があっての作でしょうね。
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この作品の造形に近い作品が下記の作品です。逆に下記の作品を模倣して作られたのでしょう。
参考作品   佐賀県立九州陶磁文化館所蔵色絵唐草花文象置物フランス・シャンティイ窯 France, Chantilly 1725~1800年頃全長31.0 高30.5
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有田製の象置物から創意を加えて変化させた作品とされます。有田の象の置物とは背にのせた敷物の柄などは共通しますが、高く掲げた長い鼻、サイのような足、皮膚の表現などは異なっています。素地は白いが黒い微粒子が多くなっています。足の裏のみ無釉で、それぞれに小穴があけられています。腹部に赤でシャンティイ窯の窯印であるホルンが記されています。シャンティイ窯は柿右衛門様式の製品の優れたコピー作品で知られています。
このように柿右衛門様式を模倣して18世紀に数多くの象の置物がヨーロッパで作られましたが、上記写真の作品はそのひとつかもしれませんね。または本作品はさらにこれを写したものでしょうか・・?

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「高く掲げた長い鼻、サイのような足、皮膚の表現などは異なる。素地は白いが黒い微粒子が多い。」で共通事項はありますが、シャンティイ窯の窯印が見当たりません。
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当方には下記のような怪しげな作品もあります。
怪しげな作品 臥象置物誂箱最大幅220*奥行160*高さ
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ただこのような「臥象置物」の作品は意外にありそうでない・・・。
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ともかく真贋どうのこうのよりも飾って愉しむ作品ですね。玄関などに気兼ねなく、どこにでも飾れる作品というものが、時には必要です。玄関に高価なものを飾るのは、いかがなものかと思うのは小生だけではないでしょうから・・・。
*説明文をよく読まず、これは贋作だ!というようなコメントは差し控え下さい。どうも白黒つけたがる御仁が多いようですが、贋作や模倣と当方で推察していても直接的な表現は避けた文章としていますのでご了解願います。











































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