羅浮仙　寺崎廣業筆　明治36年（1903年）頃

本作品の鑑定箱は鳥谷幡山が大正庚申（1920年　大正9年）鑑定したものですが、題名は「夢」となっていますが、当方では「羅浮仙」としております。
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羅浮仙　寺崎廣業筆　明治36年（1903年）頃絹本水墨軸装　軸先象牙　鳥谷幡山：大正庚申（1920年　大正9年）鑑定箱全体サイズ：縦1315＊横645　画サイズ：縦2335＊横785
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羅浮(羅浮山)とは「中国、広東省広州市の東、増城・博羅の県界にある山の名。東海からただよってきた浮山が、羅山と合体してできたと伝えられています。
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その山麓は梅の名所で、隋の趙師雄がここで、夢に梅の精である美人に会ったという、隋の趙師雄が夢に美女となって現れた梅の精に会ったという、柳宗元の『龍城録』「趙師雄酔憩梅花下」に見える故事で知られ、その梅の精の女性像を「羅浮仙」と称します。
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寺崎廣業が美人画で名を馳せ始めた頃の作。
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寺崎廣業の美人画は作品数が少なく、また評価も他の題材の作品に比して頗る高いですね。
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晩年の唐美人画に比して、完成度は低いがかえって魅力があるものになっています。
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寺崎廣業が昭和３６年頃に描いた作品と推測しています。
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落款と印章は下記の写真のとおりですで、他の所蔵作品「楊柳観音図」らと同一印章が押印されています。
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箱書は下記のとおりです。前述のように「鳥谷幡山：大正庚申（1920年　大正9年）鑑定箱」となります。
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「羅浮仙」については古来より多くの日本画が題材として描いています。寺崎廣業の代表作として晩年の白描によるものがあります。
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同時期の横山大観もまた若い頃から描いています。
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もっとも有名なのは菱田春草の作品でしょう。その他に小林古径の作品も有名ですね。
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初期の頃の力作とはいかないものの、草創期の作で後につながる寺崎廣業の埋もれていた貴重な作品と言えるでしょう。
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表具の天地が痛んでいたので天地交換しています。
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掛軸のメンテは早めがいいでしょう。