Quantcast
Channel: 夜噺骨董談義
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3077

傑作 蓮ニ群鯉図 黒田稲皐筆 その8

$
0
0
先週末には息子と家内でプールにて泳いできましたが、金づちの小生はいい運動になりました。一方で息子はクロールと平泳ぎで25Mは確実に泳げるようになったようです。スケートに水泳、スキーと年甲斐もなく再開する羽目になっています。
さて本日は絹本に着色された蓮の花と共に得意な「泳げる?鯉」を描いた珍しい黒田稲皐の作品紹介です。本ブログにて黒田稲皐の「その8」となった群鯉の作品ですが、非常に出来の良い作品となっています。


蓮ニ群鯉図 黒田稲皐筆 その8絹本(絖本)水墨淡彩軸装 軸先木製 誂箱入全体サイズ:縦1650*横610 画サイズ:縦1100*横500
 
本作品よりも多くの鯉を描いた黒田稲皐の佳作は当方に数点ありますが、この作品の大きな特徴は全体に青っぽい感じのする配色がされている点です。作品全体が暗い感じがするものの、それゆえに重厚感があります。


鯉の表現も今までの作品より一匹ずつが実にユニークに描かれています。


黒田稲皐の出来の良い作品の特徴は、必ず1匹の鯉の表情が隠れたようにしながら面白く描かれている点ですね。画家自身を投影しているかのようです。


黒田稲皐の作品には贋作も多いので要注意ですが、一律でない鯉の表情や鱗の丁寧な描き方に大きな特徴があり、そこさえ解れば見極めが意外に簡単です。鱗については一番大きく描く鯉だけ描き方が違うのも特徴ですね。


本作品はこの点が非常によくできています。


通常は背景は水草のようなものが多いのですが、本作品は蓮の花が描かれています。


描いている生地も通常の絹本よりも目が細かいので絖本かもしれません。


表具の傷みから改装するかどうか迷うところですね。天地のバランスが短いと感じますが、これは飾る床の高さによる制限があったのでしょう。天地交換の改装がいいかもしれません。
 
落款と印章に違和感はありません。江戸期の片山楊谷の虎、小泉斐の鮎、そして黒田稲皐の鯉は円山応挙や岸駒の虎、森祖先の猿ほど有名ではありませんが、特筆すべき作品が多いようです。
当方は70歳を過ぎてからの水泳ですが、鯉のごとく泳げるようになりたいと願っています。













Viewing all articles
Browse latest Browse all 3077

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>