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Channel: 夜噺骨董談義
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舞女之図 狩野永悳立信(晴雪斎)筆

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本作品は狩野永真の作品として売られていましたが、これは間違いで狩野永悳のことで狩野立信の作品です。狩野派の作品は号まで理解ししていないと作者を間違えますので要注意です。

舞女之図 狩野永悳立信(晴雪斎)筆
紙本水墨淡彩軸装 軸先木製塗 合箱
全体サイズ:縦1600*横320 画サイズ:縦830*横230



落款には「永悳立信筆 押印(「晴雪斎」の朱文白長方印)」とあります。



狩野派の作品にはことのほか贋作が多く存在します。粉本(過去の作品を模写すること)や本物の印章を押印する機会があることが原因のようです。素人ではとても判別できるものではありません。狩野探幽の作品などは地方の旧家、料亭には必ずといっていいほどありますが、ほぼ100%贋作と思って間違いないと言われているほどです。この狩野派の贋作の流行?がそのまま掛け軸の贋作の多さになったとも言う人がいるくらいです。




狩野諸派の本格的なコレクションや展示会を見たことがありませんがどうしてでしょうね? 有名な画家の作品はあるのですが・・・?? 贋作の多さに関係あるかもしれませんね。 また形式的な画風となったことも・・・。

狩野派には狩野晴川院養信のように最近見直されている画家もおり、大いに再評価してもいいように思うには私だけでしょうか? 




幕末から衰退した画工群ですが、結局狩野派から派生した狩野芳崖、橋本雅邦、河鍋暁斎らが新しい日本の絵画を形成したことには相違なく、近代日本絵画のベースは狩野派にあります。

混沌とした現代日本絵画をみるにつけ、温故知新ではありませんが、古来の絵画のほうが魅力的だと感じるのも私だけではないように思います。 


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狩野 永悳(かのう えいとく、文化11年12月15日(1815年1月24日) - 明治24年(1891年)1月29日)は幕末から明治期の狩野派の絵師、日本画家。安土桃山時代を代表する絵師・狩野永徳と同じ読みであるが、無論別人である。狩野栄信の六男。兄に木挽町を継いだ長兄狩野養信、朝岡氏に養子入りし『古画備考』を著した次兄朝岡興禎、浜町狩野家を継いだ五兄狩野董川中信がいる。

江戸木挽町に生まれる。本名は立信、幼名は熊五郎、晴雲斎とも号した。狩野宗家中橋狩野家・狩野祐清邦信の養子となり、後に宗家中橋家第15代となった。嘉永元年(1848年)幕府御用絵師となり、安政4年(1857年)法橋、翌年法眼に除す。徳川家斉から徳川家茂までの4代の将軍に仕え、弘化年間の江戸城本丸御殿再建における障壁画制作[1]など、幕府御用を多く手がけた。

明治維新後も皇居造営の際に、皇后宮御殿御杉戸や小襖に多くの作品を描く。明治11年(1878年)に来日し日本美術の研究を始めたアーネスト・フェノロサに、古画の研究と鑑定法を教授する。甥の狩野友信と連書で、フェノロサに一代狩野姓を許し「狩野永探理信」の名を与えるなど、日本における美術史学の形成にも間接的に寄与した。明治17年(1884年)の第二回内国絵画共進会には審査員として「虎渓三笑図」を出品、銀賞を受ける。

鑑画会には古画の鑑定委員として設立当初から参加しているが、フェノロサの関心が新画工の育成に移ると次第に離れていく。明治20年(1887年)明治宮殿杉戸絵を揮毫し、同22年(1889年)臨時全国宝物取調局臨時鑑査掛となる。明治23年(1890年)10月2日帝室技芸員となり、「狩野家鑑定法ニ就テ」(『国華』12号)を著したが、翌年77歳で亡くなった。戒名は永悳院殿晴雪斎立信日善大居士。墓所は池上本門寺。

弟子に、一時は養子となった武内桂舟、同じく養子となり中橋狩野家16代当主を継いだ狩野忠信、鑑画会の中心画家として活躍した小林永濯、田中(狩野)永雲。また、川辺御楯も最初永悳に学び、河鍋暁斎は晩年狩野派を継承するため、永悳に入門し直している。

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狩野派の系図
正信

元信

直信(松栄)
┣━━━━━┓
州信(永徳) 宗秀
┣━━━━━┓
光信    孝信
┃     ┣━━━━┳━━━━━━━┓
貞信   守信(探幽) 尚信      安信(宗家)
            ┃       ┃
           常信      時信
            ┣━━━┓   ┃
           周信  岑信  主信
            ┃
           古信
            ┃
           栄川院典信
            ┃
            養川院惟信
            ┃
            伊川院栄信
            ┃
           晴川院養信
            ┃
            勝川院雅信

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席画のように描かれたような本作品。うまいな~と思うのもまた私だけではありますまい。



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