本ブログへのアクセス件数が400を超えるようになってきました。特異な分野の割には増えているのはなぜでしょうか???
うち捨てられているものに美しさや使いようを見出すのも骨董の魅力のひとつですし、骨董で培われた能力のひとつです。。
本日は茶碗としては使えるのは珍しい磁洲窯の筒茶碗の作品です。
鉄絵草紋筒茶碗 磁州窯
合箱
口径90*胴径100*高台径69*高さ125
明時代の磁州窯の作品で発掘品(堀の手)とのことですが、詳細は不明です。
高台は豪快で釉薬は掛けられていません。胴の部分には隣で焼いた器との接触によってくっついた跡があります。大量生産によるものですが、これもまた魅力のひとつでしょう。
口縁部分には金繕いがありますが、これはこれでマイナスではなくいい味を出しています。この欠けか、そのほかの何らかの理由でうち捨てられた可能性は否定できません。
発掘品なら、どうして埋められたかは不明です。本作品の良さは奔放な筆遣いの鉄絵の絵付けでしょうが、この良さは大量生産には受け入れられなかったということでしょう。
そしてもう一つの魅力は、その造形の作りのスピード感です。
本作品は何かに似ていると思いませんか? そう浜田庄司の鉄絵の作品です。鉄絵茶碗と比較してみましょう。
呉べてみるとよくわかると思うのですが、姿、絵付けはよく似ており、感じる魅力も同じものがあります。
近年、中国では発掘調査が進み、いろんな発掘品が出てきており、以前は貴重であった品が大量に出土し、評価が低くなってきており、精緻な品の官窯の品のみが高価になっていると聞いています。ただ、本作品にように素朴な味のある作品は重宝すべきかと思いますが、現在の中国には理解できない美学のようです。
本作品は筒茶碗や花入れに使えます。ただ筒茶碗は冬用のお茶碗ですので、熱めのお湯を注ぎますので、このような作品は高台部分の胎土が薄いので、お茶碗を持つとき、とくにすすぐ時には暑くて持てないかどうかチェックする必要があります。
慣れると別段問題ないのですが、楽などのお茶碗と違い、この土は熱伝導率が高いので、知っていないと高台の底に手を触れると、突然熱く感じてしまい持てないことがあります。
いずれなにか醤油や油や物を入れる器であったものでしょう。今は前の所有者によって立派な箱に収まっています。
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磁州窯:中国の宋・元代の代表的な民窯。狭義の磁州窯は河北省の観台鎮,彭城鎮周辺の古窯をさすが,河北,河南,山西,山東の華北一帯で広く焼かれている。
ざっくりとした陶胎に厚く白化粧を施した上に搔落しや鉄絵,三彩で文様を描いており,陶枕にとりわけ魅力あるものが多い。
唐時代,河南省の鞏県(きようけん)窯,宝豊窯などで三彩,白磁,黒釉磁が生産されており,この伝統が磁州窯に受けつがれ北宋,金,元,明,清,そして今日まで日常の雑器を中心に生産を行っている。
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皆さんの身の回りにも茶味のある作品があるかもしれませんよ。茶味のあるものを見出す感性は日本人特有のものです。大事に育てたいもので、この感性は仕事にも通じるものだと思っています。
うち捨てられているものに美しさや使いようを見出すのも骨董の魅力のひとつですし、骨董で培われた能力のひとつです。。
本日は茶碗としては使えるのは珍しい磁洲窯の筒茶碗の作品です。
鉄絵草紋筒茶碗 磁州窯
合箱
口径90*胴径100*高台径69*高さ125
明時代の磁州窯の作品で発掘品(堀の手)とのことですが、詳細は不明です。
高台は豪快で釉薬は掛けられていません。胴の部分には隣で焼いた器との接触によってくっついた跡があります。大量生産によるものですが、これもまた魅力のひとつでしょう。
口縁部分には金繕いがありますが、これはこれでマイナスではなくいい味を出しています。この欠けか、そのほかの何らかの理由でうち捨てられた可能性は否定できません。
発掘品なら、どうして埋められたかは不明です。本作品の良さは奔放な筆遣いの鉄絵の絵付けでしょうが、この良さは大量生産には受け入れられなかったということでしょう。
そしてもう一つの魅力は、その造形の作りのスピード感です。
本作品は何かに似ていると思いませんか? そう浜田庄司の鉄絵の作品です。鉄絵茶碗と比較してみましょう。
呉べてみるとよくわかると思うのですが、姿、絵付けはよく似ており、感じる魅力も同じものがあります。
近年、中国では発掘調査が進み、いろんな発掘品が出てきており、以前は貴重であった品が大量に出土し、評価が低くなってきており、精緻な品の官窯の品のみが高価になっていると聞いています。ただ、本作品にように素朴な味のある作品は重宝すべきかと思いますが、現在の中国には理解できない美学のようです。
本作品は筒茶碗や花入れに使えます。ただ筒茶碗は冬用のお茶碗ですので、熱めのお湯を注ぎますので、このような作品は高台部分の胎土が薄いので、お茶碗を持つとき、とくにすすぐ時には暑くて持てないかどうかチェックする必要があります。
慣れると別段問題ないのですが、楽などのお茶碗と違い、この土は熱伝導率が高いので、知っていないと高台の底に手を触れると、突然熱く感じてしまい持てないことがあります。
いずれなにか醤油や油や物を入れる器であったものでしょう。今は前の所有者によって立派な箱に収まっています。
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磁州窯:中国の宋・元代の代表的な民窯。狭義の磁州窯は河北省の観台鎮,彭城鎮周辺の古窯をさすが,河北,河南,山西,山東の華北一帯で広く焼かれている。
ざっくりとした陶胎に厚く白化粧を施した上に搔落しや鉄絵,三彩で文様を描いており,陶枕にとりわけ魅力あるものが多い。
唐時代,河南省の鞏県(きようけん)窯,宝豊窯などで三彩,白磁,黒釉磁が生産されており,この伝統が磁州窯に受けつがれ北宋,金,元,明,清,そして今日まで日常の雑器を中心に生産を行っている。
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皆さんの身の回りにも茶味のある作品があるかもしれませんよ。茶味のあるものを見出す感性は日本人特有のものです。大事に育てたいもので、この感性は仕事にも通じるものだと思っています。