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Channel: 夜噺骨董談義
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古伊万里柿右衛門様式 色絵梅下人物文輪花七寸皿

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柿右衛門手の作品が「なんでも鑑定団」に出品され、なんと高額の1000万円なり・・。そのような金額では売り買いされたことは聞いたこともありませんね。

さて、そのようなばかげた値段はさておいて、本日はおもしろい図柄ゆえ入手した柿右衛門手の作品を紹介します。

古伊万里柿右衛門様式 
色絵梅下人物文輪花七寸皿
合箱
口径205*高台径125*高さ38

柿右衛門手・・、正式には古伊万里柿右衛門様式というらしい。



17世紀、江戸時代の古伊万里柿右衛門様式の皿などは、有田で焼かれて、長崎の出島からオランダに運ばれるという輸出目的で作られました。近代になってから日本に里帰りした作品がかなりの数あるといいます。



白磁の肌がすごく柔らかい純白で、これを「濁手(にごしで)」と呼び、柿右衛門様式の絶対の特徴の一つらしいです。ただし、これは全部の柿右衛門手の共通かというとそうでもないとのこと。柿右衛門様式の中でも特に手の良い最高級品にのみあるもの。



「柿右衛門といえば濁手であるか否かが真贋判定のポイントのように言われますが、実際に江戸期の柿右衛門作品の大半は一般的な釉調で、濁手素地のものは非常に数が少ないです。おそらく柿右衛門窯の技術をもってしても、相当に難しく歩留まりの悪いものだったと考えられ、ごく限られた高級品にのみ用いられた特殊な技法であったのではないかと思います。柿右衛門手の特徴は青と緑の上絵付けの色調にありこののほうが見極めのポイントとなります。」ということらしい。骨董というものは杓子定規に考えてはいけないようです。

白を活かすように余白を大きくとり、明るい朱色を主体で絵を描いています。



柿右衛門様式はヨーロッパで“シノワズリー”といって中国趣味が流行っていた時代の作品なので、描かれる絵はみな中国風とのこと。ただしこれもすべてではない。



梅を観賞する高士に竿を持つ童子という非常に中国的な絵で、人物の表情が実に面白いですね。形状の輪花はよくある形態で、状態が非常によい作品です。



ただし日中を問わず贋作も多いし、コピー作品も多い。

中国産の贋作に多い特徴は・・。
「八角皿(直径約20.5cm/高さ約3cm) S字型のしのぎ(線状の陽刻)あり) 「十角皿(直径約22cm/高さ約3cm  しのぎあり)」
「ザラザラした感じの口紅」
「造りの甘い柿右衛門(角がピシッとしていない)」
「柿右衛門のどぎつい黄色」
「黒の輪郭線をわざと途切れとぎれに描いている(本物は擦れて消えている)」「黒の輪郭線が全く消えていないのも、更に不自然」
「高台畳付きが茶色くて汚い。(中国製贋物は顕著)」
「台形状の高台削り」
ということらしい。



さて、本作品が柿右衛門かどうかはさておいて、使うのが一番・・。「なんでも鑑定団」のような値段に心惑わされてはいけませんね。このようなばかげた値段を公にするので、また贋作が横行することになります。コピーでも面白ければそれでよいという当方のような楽しみ方もあります。



家内が買ってきたクッキーを載せて一服・・。


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