寺崎廣業の美人画＆修理完了した花笄

昨夜はトラブル続きで憂鬱な気分を解消すべく、他社の仲間らと一献。雨が本降りになってきたのでお茶のお稽古に出かけた家内を迎えに出向いての帰宅。濃茶とお薄をいただきましたが、正直なところまだまだ憂鬱な気分は一向に解消されません。

さて前に投稿した「花笄」の修理が完了しました。



上記のようなばらばらな状態でしたが、部品がかなり残っていたので、少しの部材を適用するだけで修理できたようです。



鼈甲の代わりに馬の爪で作られたようですが、戦前、中、後には鼈甲が入手できずに代用品が多かったようです。この作品は三越からの購入品で当時はそれ相応に高価であったとのことです。



虫食い部分は研磨し、不足部分はラフトロイドで補いました。ラフトロイド・・、知ってるかな？



菊の部分などは細かい細工なので修理はたいへんなのでもとの状態のままです。



もうひとつの花笄もなんとか修理できたようです。



こちらの代用品は樹脂が主体のようです。虫に食われる心配はないようですが・・。



こちらの台（花笄のセットは台と呼ぶらしい）は櫛を無くしたようなので、ちょっと代用品を添えておきました。本鼈甲？　２４K？　という刻印がありますが？？



古くから家にあるものたちよ！　よみがえれ！　我ら家族を守り給え

さて髪飾りといえば美人画。寺崎廣業の美人画は山水画などと比較にならないほど当時から人気が高く、それゆえに贋作も多いとのこと。贋作だろうと判断して、今回の引越しでの処分対象になっていた作品を改めて見てみました。

萩ニ扇美人図　伝寺崎廣業筆　その３０
絹本着色軸装　軸先木製　合箱入
全体サイズ：縦1885＊横520　画サイズ：縦1102＊横398





月光燈影　寺崎廣業筆　模写（贋作）
水墨着色絹本軸装　軸先象牙　合箱　
全体サイズ：横696＊縦2180　画サイズ：横493＊縦1270







印章だけを調べてみると資料と一致するようですが・・。

ともかく美人は信用ならない。寺崎廣業の他の美人画というと下記のものもありますが・・。

梅月想思図　伝寺崎廣業筆
水墨着色絹本軸装　軸先象牙　二重箱共箱　
全体サイズ：横558＊縦2030　画サイズ：横420＊縦1210



唐美人図（仮題：楚蓮香）　伝寺崎廣業筆
絹本水墨着色軸装　軸先塗　極箱入　
全体サイズ：横520＊縦2008　画サイズ：横389＊縦1212



花がたみ　伝寺崎廣業筆　その２９
絹本着色軸装　軸先鹿骨　合箱入
全体サイズ：縦1710＊横575　画サイズ：縦960＊横418



家を守るには「見目麗しく」は必要なく健全ある体力と叡智です。「妻をめとらば才長けて」に尽きる。我が息子の「花笄を飾る相手」を見届けることは果たしてできるのであろうか？

え～い、思い切って処分処分！！ 　資金調達優先。