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Channel: 夜噺骨董談義
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懸崖雁行之図 寺崎廣業筆 その44

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亡くなった家内の墓参りに帰省した際に、義妹から「お寺の住職さんが会いたいようなことを仰られている」というので、電話連絡してみると、住職の祖父が蒐集された作品を見てももらいたいとのことらしいです。

住職の祖父の方からはなんどか骨董の指導をしていただいているので、是非にと思いましたが「急がないのでいつか」ということになりました。所蔵されている作品の中で多いのは「寺崎廣業」の作品だそうですが、郷里では著名な蒐集家でしたので楽しみです。

ということで本日は久方ぶりに「寺崎廣業」の作品の紹介です。

懸崖雁行之図 寺崎廣業筆 その44
絹本水墨淡彩軸装 軸先象牙加工 合箱
全体サイズ:縦2010*横550 画サイズ:縦1060*横410



押印されている印章は他の所蔵作品「黄初平」らと同一印章です。「寺崎廣業」の作品の贋作はいくつかみましたが、印章まで正確に模倣している作品は少ないようです。



描かれている山は富士山・・??



前にも記述したように寺崎廣業の作品は多作で、席画のような駄作も多いので、展覧会への出品作は無理としてもきちんと描かれた作品を選択して蒐集するのがポイントです。



寺崎廣業の作品の中でも風景画は傑出しています。寺崎廣業の粉本の画帳を見たことがありますが、丁寧に過去の名画を写して勉学しており、ものすごい努力家です。一概に大衆画家とは言えないが画力があります。



本作品にも画力が読みとれる作品です。下手な箱に収納されており、掛け軸を開くまではいけない作品だろうと思っていましたが・・。



ガラクタだろうと黴臭いと思われようとこの手の作品は誰かが保存しないとそれこそゴミ箱行き・・。



表具は絵とマッチしており、いい表具です。



郷里での寺崎廣業の作品の出会いを楽しみにしています。

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