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Channel: 夜噺骨董談義
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漢緑釉銀化皿

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漢以降の緑釉の作品は大量の出土品の登場により、値段が大暴落し、今や値段がつかないほど値を下げているようです。

本作品についてもただの小汚いがらくたとするのか、美しい小皿とするのかは人によって意見の分かれるところでしょうね。

日本の山茶碗もそういう器の部類に入ります。まだ投稿していない「山茶碗」はどこかに一つあったはずですが、作品はどうやら行方不明のようです

漢時代前後の緑釉の壷などの作品群には私はあまり魅力を感じませんが、ほんの一部には魅力的な造形のものもあるようです。ただ緑釉が銀化した作品が魅力的で、銀化の具合が評価のポイントになるようです。

銀化についてはすでになんどか本ブログで触れていますので、ご存知の方も多いと思います。

漢緑釉銀化皿
合塗箱
口径150*底径100*高さ22



緑釉陶器は中国の戦国時代(紀元前4世紀頃)に生まれ、漢時代に流行しました。日本には7世紀後半、新羅から技術が導入された可能性が強く,平安京から新羅の緑釉壷の破片が出土しています。



銀化は釉に含まれている鉛が長い年月を経て風化し銀色に発色するようになるものです。

意外にありそうで見ないのが、状態の良い漢の緑釉の皿と言われています。

本作品は発掘品でしょうが、長い年月を経ての銀化している部分は非常に魅力的です。写真では今一つ伝えきれませんが、送られてきた本作品の梱包を開封したときには、「お〜、なかなかきれい」という感想でした。

なお本作品の底には釉薬が掛けられてはいません。



釉銀化の作品はなんでも鑑定団にも出品されていました

ブログにも「麒麟像」が投稿されています

1980年代後半になると、中国の経済開放政策によって、鉄道や道路など国中のいたる所でインフラ開発が行われ、その工事中に多くの漢代や唐代の墳墓が発見される事になりました。

埋められていた緑釉や三彩の陶器が大量に出土され、これらの作品群は大暴落し、お値段もお手頃になったと言われています。ただし、小生には詳しいマーケット情報は解りません。

欧米では鮮やかな緑釉が高く評価されますが、日本ではやはり銀化した緑釉の美しさが、緑釉の作品のポイントになるでしょうね。そういう観点からは緑釉の作品は出土品でなくてはならないということになります。



一二湖のようなきれいな緑で、写真では解りにくいでしょうが、虹色の発色もあります。



緑釉の作品は粗雑な造形、低温度の焼成のよるものがほとんどです。乱暴に扱うと壊れてしましますが、皿のようなものは実用ですね。壷などを飾っておくのはいいのですが、造形的に優れたものは以外と少ないと思います。

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