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早春 寺島紫明筆 その2

家内が最近読んでいる本について、家内が話をすることが多くなり、例えば「漆の材料は最近は国産の漆じゃないらしい。」などと衝撃的な話をしています。その本は読み終わったようで週末には小生の机の上に載っていました

日本古来の文化の今後について興味深い提案があるようです。日本古来の文化について知らない日本人が如何に多いかということも・・。ということに関連するかどうか知りませんが、本日は掛け軸の扱いについてです。

掛け軸の大敵にシミというのがあります。先日紹介した「狩場の曾我 植中直斎筆」と同じ画家の作品で以前に紹介した下記の作品もシミがひどい作品のひとつです。 

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湿気が多いところに長期間放置するとこのようなことになります。染み抜きで取れるかどうかは微妙と思われ、多少は跡が残るようですが、まずは染み抜き処理するにはかなりの費用がかかります。

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シミの発生は根本的には湿度管理が行き届いた環境で保管するしかないようで、一般的な保存ではいつかは発生してしまうようです。

本日の作品もそのようなシミが発生した作品です。美人画でのシミ発生は致命傷になりますね。

早春 寺島紫明筆
絹本着色軸装 軸先象牙 共箱二重箱
全体サイズ:横660*縦1425 画サイズ:横510*縦430

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漆器のカビ、刀剣の赤錆、そしてなによりも美人画の顔のシミは作品の命とりになります。

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とくに絹本に描かれた作品のシミは奥まで入り込んでいる可能性が高く、取れにくいと聞いています。

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捨て難き作品か? さて如何にすべきか? じっくりと作品を値踏み?しながらの判断・・・・。

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共箱、太巻き、表具もきちんとしていながら、どういう保管方法をしていたのやら。

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掛け軸を桐箱の中で絹布に巻いてることがありますが、これはよくないと聞いたことがあります。紙で巻くほうがよいとか。たしかに本作品は絹布で巻かれていました。高価な作品ほど絹の布が付いていることがあります。

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掛け軸の扱い方、保存方法はよく覚えていたほうがいいようです。時には衣服用の防虫剤を掛け軸の箱に入れておく暴挙もありますから・・。衣服専用の防虫剤は掛け軸の保存には良くないようです。きちんと掛け軸用の防虫剤を使ってください。






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