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刀剣 その四 脇差&拵 無銘

会社への息子の見送りは毎朝、6時。迎えは玄関までやってきます。その後着替えと明日の準備を息子が手伝い、家族全員での食事、その後少し遊んで(昨夜は玄関で自家製?の紙のボールでサッカー)、家族で入浴し、最後に寝かしつけるまで小生の役目・・・Image may be NSFW.
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ボールを蹴るのが様になってきましたImage may be NSFW.
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 日々の成長が驚くほど早いのにはびっくりです

先日、家に代々ある刀剣を研ぎに依頼している銀座のお店(なんでも鑑定団に社長さんが出演されています)から連絡があり、二振り目の作品が出来上がったというので受け取りにいってきました。

刀剣にはまったくの門外漢ゆえ、不躾ながらまたしてもあれこれとお店の方に質問してきました。そもそも最初の訪問で「刀剣を扱う人間には胡散臭い人間が多いようだが、貴方は大丈夫ですね?」と訪ねた小生です。

今までは主にメンテナンスの方法についてでしたが、今回は刀剣の分類についてです。少しは知識はありましたが、まったくの白紙からの勉強ですが、胡散臭そうなベテランが小生には分けの解らない用語で丁寧に説明してくれますImage may be NSFW.
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ベテラン? どうも同年齢・・、息子を紹介したら、「孫でしょう」だと・・・Image may be NSFW.
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まずは日本刀はその作られた年代により「古刀」、「新刀」、「新新刀」、「現代刀」に分類されます。

おおまかに室町時代後半までにつくられたものが「古刀」といわれます。

「新刀」は安土桃山時代の慶長以後の刀工の作刀をいう。豊臣秀吉が天下を統一して諸国に新興の城下町が発達し,そこに古刀時代の諸国の刀工群が分散して集った結果,各流派の伝統がくずれて新しく自由な鍛練法が生れ,桃山時代の華麗な時風を反映した新様式の刀剣が出現したそうです。

新刀のうち、特に安永年間(1772~1781)以降 につくられたものは「新新刀」。年代には諸説あります。

「現代刀」は明治9年(1876年)の廃刀令以降に作刀された刀剣をさすことが多いそうです。

今回研ぎが完了して受け取ってき作品は、この分類としては「新刀」です。

刀剣 その四 脇差 無銘
長さ:一尺五寸五分五厘 拵付
反り:三分五厘 目くぎ穴2個

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次に日本刀は長さによっても名称があり、かなり細分化されていますが、大まかには下記のとおりです。

太刀(たち)とは、日本刀のうち刃長がおおむね2尺(約60cm)以上

脇差は刃渡り1尺(30cm)以上2尺(60cm)未満

短刀は、長さ一尺(約30.3cm)以下の刀の総称

今回は脇差の作品です。銘はありませせん。登録証には「則光」と記されていますが、根拠はありません。基本的に「新刀 無銘」です。

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本作品は先祖伝来のものです。金銭的な価値は度外視ですが、価値は別にして、拵えや白鞘、刀掛などの保存は登録証、保存登記証共々、管理はきちんとしておく必要は無論のことです。鍔などの小道具類とは管理のレベルが違います。銃刀法違反など法的な規制をきちんと把握しておきましょう。

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登録証のコピーは白鞘に、本証は別に保管しておきます。これは小生の管理方法です。本証を本体に付けている御仁も多いようです。むろん外への持ち出しには本証の携帯が不可欠です。

なおこの脇差には拵えが付いています。伝来の刀剣はあくまでも拵えと刀剣が一体であり、拵えと刀剣の組み合わせが解るように保存します。基本知識のない御仁は、拵えと刀剣を別なものと思い、別々に手放したりしかねません。

黒漆青貝微塵笛巻鞘脇差拵 

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白鞘は刀剣の普段着、拵えは外出着ですので、対になっているのが望ましいのです。普段は白鞘に収めておきます。拵えに差した状態での保存はよくありません。

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なお拵えの飾りっぱなしは厳禁です。漆が変色してきますので・・。名刀でなくても先祖代々伝わるものは、後世にきちんと遺すべきものでしょう。

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拵えはもはや現在の状態を維持することのみ。痛みが酷い場合は漆の本職に依頼するしかありません。刀剣の専門店でも意外に漆の知識は浅いようです。

なお柄の部分はこれを「サメ」とは呼称しますが、実際は「サメ」ではなく「エイ」の皮のようです。

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刀剣類は当時の武士の魂です。忘れ去られしものは骨董というものだけではないようです。忘れ去られた「凛とした精神を」蘇らせる力が骨董にはあります。

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刀剣を抜き、床の軸とともに鑑賞するときの背筋の緊張感は生きる力になります。

拵えもまた日本古来の伝統芸術の極みであり、こらら一連の組み合わせの刀剣は、おそらく許された者?にしか扱えない代物かもしれません。まずは絶対的な自制心をもつことからですが・・・Image may be NSFW.
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「刀剣女子」という漫画の中の少女趣味的なものでは決してありません。男の魂として保存はきちんとしておくべきものでしょう。

なお小柄と笄は探すといくらでもありますので、拵えにない場合はサイズの合うものをつけておくと良いのでしょう。鍔なども小道具はあくまでも小道具で主流のものではありません。

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保存に際しては拵えの鍔は外しておくことです。

本日紹介した作品は家に代々ある作品です。一応真作という鑑定は受けてはいますが、拵え共々、刀剣としてはそれほど価値のあるものではありません。初心者向けの作品・・・・。

先日、東京美術倶楽部で「井上真改」の「真改銘」の太刀を見てきました。勝海舟所持? 「国貞銘」の作はよくありますが、「真改銘」は非常に貴重で最上の作と言えるのでしょう。このような知識もだんだん備わってきました。ちなみにお値段は3000万です。通常はその10分の1ですが、この作品は決して高くはないと思いました。いつかは欲しい・・・。

他のブースにも名品揃いでした。特に拵えは一級品ばかり・・、これは確かに日本の文化です。

茶道もまた武士の心得、利休も結局は武士の中の武士、決して商人や茶匠ではありませんでした。刀剣を見ずして日本文化、精神を語るなかれですね。

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