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Channel: 夜噺骨董談義
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峻嶺静處図 釧雲泉筆 その18

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偶然に見つけたのですが、加島美術出版「美祭」(BISAI)19号に掲載されている作品NO.054&055のうちNO.55が本作品と同一作品のようです。ただし「美祭」では鑑定を「渡辺南岳」と誤記されています。(このような基本的な間違いを加島美術がしているのは意外ですが・・。)

*渡辺南岳(わたなべ なんがく)は明和4年(1767年)~文化10年1月4日(1813年2月4日))。江戸時代後期の画家。京都の人。名は巌、字は維石、号は南岳、通称小左衛門。円山応挙の高弟で応門十哲に数えられており、江戸に円山派を広めた画家です。渡辺南岳がほぼ同時代の画風の違う釧雲泉の鑑定をすることはあり得ません。

峻嶺静處図 釧雲泉筆 その18
紙本水墨淡彩軸装 軸先象牙 渡辺南岳鑑定箱
全体サイズ:縦2150*横620 画サイズ:縦1350*横470



落款には「岱就」と記されており、この落款は寛政4年頃(1792年)の作品に多く、この時期の作品に散見される独特の絵の激しいタッチが全面に出ています。



本ブログに投稿されたコメントには「寛政4,5年の頃は、三備地方に居たと見えて、当時の作が今尚岡山県地方に遺っている。」とある事も踏まえると、本作品もこの時期の作と推察されます。事実、箱の西村南岳の鑑定にも「32歳頃の作」と記されています。

  

書付が収められ、なにかの展示会に出品された作品と伺われます。また箱は作り直され元の書付部分が嵌め込まれています。これは前にも述べましたようによくあることです。

  

*西村南岳:渡辺崋山など南画作品の鑑定家。早稲田大学卒業後、大日本茶道会の田中仙樵の秘書となり、その後貴族議員佐々木嘉太郎の秘書をし、その間に古書画の勉強をした人。














参考資料:加島美術出版「美祭」(BISAI)19号 作品NO054&055
鑑定を渡辺南岳と誤記されています。(このような基本的な間違いを加島美術がする?)
NO055(寛政4年頃)          NO54(寛政5年)



同ページに掲載されているNO.054の作品は賛にあるように同時期の寛政5年の作品です。こちらの作品は釧雲泉としての魅力は乏しいかと・・。



販売価格が30万とありますが、当方での入手はその5分の1程度です。買い得か否かは小生の知る由もありませんが、現在の南画の売買価格の現状はその程度です。

本作品と同時期に描かれたと思われる作品が本ブログにも投稿しています。

そのひとつがこちらの作品です。寛政5年の作で、当方では真筆判断している数少ない作品のひとつです。

寛政浅絳山水図 釧雲泉筆紙本水墨淡彩軸装 軸先木製加工 合箱
全体サイズ:縦1850*横568 画サイズ:縦1413*横461

本作品と同年となる寛政4年の作となると下記の作品があります。

寛政壬子浅絳山水図 釧雲泉筆
紙本水墨淡彩軸装 軸先木製加工 合箱
全体サイズ:縦1820*横420 画サイズ:縦1060*横360

少しずつ迷路から抜け出せてきている釧雲泉の作品ですが、気がつくとずいぶんと回り道をしています。


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