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Channel: 夜噺骨董談義
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氏素性の解らぬ作品 白釉黒流掛大鉢 その62(整理番号)

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この手の大きな鉢がなんといっても代表作です。清水の舞台から飛び降りる覚悟?で購入した作品です。

氏素性の解らぬ作品 白釉黒流掛大鉢 その62(整理番号)
共箱 花押サイン有 
径550*高さ150*高台径245



福田豊四郎筆の「十和田湖」を飾り、床の間で撮影しています。本ブログにたびたび投稿されているようにこの二人の作者は小生のメインになっている蒐集対象です。



花押まである箱書きは自信作なのでしょうか? あまり見かけない箱書きです。当方では幾つかの共箱に花押があります。もともと展示用に作られていた皿立も共箱に中に入れられております。



魅力はその釉薬にあるといっても過言ではありませんが、大きな鉢になるとより一層その魅力が引き立つものです。



釉薬を掛けるのに15秒、それを評して「たったの15秒で出来るのにずいぶんとお高いですね。」と評したという御仁に「15秒+60年」ですと答えた話は有名です。



むろん尾ひれがついた逸話でしょうが、釉薬を掛けた経験のある方はご存知のように、釉薬の掛けは一瞬の勝負で、時間をかけると釉薬の剥がれなどが生じます。



あっというまに胎土の強い吸水力で釉薬が乾いてしまいますから・・・。



釉薬の量、掛け損ないのないように皿を扱う手立て、掛け合わせの具合、まったくの一瞬の勝負です。



体力も要ることですから、本当の大きな作品が出来るのは一時期だけでしょう。金城次郎も脳梗塞の後は大きな壷は制作していても、50センチ近い皿は制作できていません。



震災で失われた大きな作品もあります。この大皿は納まるべきところに納まっているようです。50センチを超える作品が市場に流通することは機会が少なくなるでしょう。



現代の陶工にもこのようなおおらかな作品は見かけなくなりました。さて、どなたの作品か?



「氏素性の解らぬ作品」? 骨董というのは常にそういうものかもしれません。気に入った作品は将来や子々孫々に大切に伝えてゆきたいものです。

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