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氏素性の解らぬ作品 白化粧彫山水図大皿 その (未整理)

夕方帰宅すると、洗面台のガラス瓶に菜の花がありました。これは家内がお茶の稽古場に持っていた花の残りですが、ガラスの瓶はないだろうと思い、展示室の一輪挿しに入れておきました。

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一輪挿しは最近紹介した平野庫太郎氏の作品です。

さて本日も氏素性の解らぬ作品です。

白化粧彫山水図大皿 その (未整理)
口径480*高台径*高さ90

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呉須で絵を描き、それから掻いて文様をつけ、白土を掛けて焼成する技法で作られているようです。

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この図柄は絵付にときおり見かける図柄です。当方で知る得る作品では下記の二作品があります。

鉄絵色差山水文陶板(日本民藝館蔵)    
セント・アイヴス 1952年 幅9.9cm

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色絵山水文角皿 (日本民芸館蔵)
1954年(九谷?富本憲吉?)

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ともに1950年代の作品です。この時期には来日した来歴を調べてみました。

1950年(63歳)3月―米国に4ヵ月旅行、ワシントンの現代美術協会による巡回展を行う。4月―米国陶磁協会から「ビンズ賞」を受賞。

1951年(64歳)世界中の陶磁器から選んだ名品図録ともいえる、『A Potter's Portfolio』を刊行。

1952年(65歳)ロンドンのボザール・ギャラリーで濱田庄司と二人展。7月―ダーティントン・ホールで国際工芸会議を開く。柳宗悦、濱田庄司も参加。10月―柳、濱田と米国へ渡る。

1953年(66歳)2月―米国を経て来日。上野松坂屋で個展。翌年まで日本に滞在する。5月―布志名と湯町で制作。7月―益子の濱田窯で制作。8月―柳、濱田、河井寛次郎と信州に滞在し、琳派の研究を開始。10月―九谷で制作。 11月―大阪で河井、濱田と三人展を開催。

1954年(67歳)2月―柳と房州に滞在。4月―河井、濱田と小鹿田を訪れ制作。神戸で河井、濱田と三人展、東京で富本憲吉を加えて四人展を開催。夏は松本に滞在する。9月―三越で「滞日作品展」を開催 11月―英国帰国途中に、イスラエルの「バハイ教世界センター」を訪問。

1955年(68歳)4月―大阪で「現代民芸展」。6月―神戸で「家具陳列即売会」開催。さらに『A Potter's Book』が『陶工の本』として邦訳出版される。

注目されるのは1953年(昭和28年)~1954年(昭和29年)の来日です。特に小鹿田窯の来歴に注目してみました。

小鹿田窯で絵付をする 1954年

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坂本正美窯の縁側で過ごす写真は、小鹿田窯の皿山に滞在中、運転手を務めたという「小鹿田古陶館」の亡きご主人が撮影したとのこと。

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ここで制作された作例としては下記の作品が知られています。

鹿文大皿(昭和29年 1954年)

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晩年は轆轤を自分で轢いて制作したかどうかは不明です。晩年は奥さんが轆轤を轢いていたようで、轆轤は苦手であったという記述があります。

本作品が真作かどうかは知る由もありませんが、雰囲気が好きです。

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淡い絵付がいいですね。雪の降る北国のよう・・・。

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日本人より日本的な叙情のある作品を作りあげているは驚きです。

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