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扇乃的 小村大雲筆 その6

昨年、親戚の敷地内に筍採り出かけた際に、クマガイソウが野生する近くで見つけてた貝母・・。

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家内が茶花にと思い、親戚にお断りして自宅で植えた根が今年、花をつけました。

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鉢にも、庭にも・・・。巧くいかない花もあれば、巧く生きてくれている花もあります。人も同じ、新天地で巧くいく人もいれば、巧くいかない人もいます。野生の逞しさに感心しますが、生かす努力も大切とも痛感する次第です。

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さて本日は小村大雲の作品の紹介です。

扇乃的 小村大雲筆 その6
絹本着色軸装 軸先象牙 共箱 
全体サイズ:横537*縦2050 画サイズ:横359*縦1156

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落款は「大雲」、印章は作品と共箱がともに「大雲」の白文朱方印、「厳座」の朱文白方印が押印されています。

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この印章は本ブログで紹介しました「旭日昇天」と同一印章となっています。
*「旭日昇天」は共箱ではありませんでしたが、本作品によって小村大雲の作と断定されます。

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大雲の武者絵については親族の覚書を下記に記します。

「まず博物館陳列品を取材したりし、武具研究はその後高熱化し、全国の知人を動員して古武具の蒐集をし、ついに国宝鎧の模造に着手、原寸どおりに部品を作らせ、2年がかりで大鎧を組立てたエピソードもある。そうして、いかなる史実考証家も突っ込んでくる余地のない武具通となった。」と覚書にあるそうです。

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さらに、大雲自らは「学術的な方面よりも、歴史画を契機としてその内に潜む内的なもの、人物の精神生活やある種の思想的なものを表現したいという希望」と述べています。


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*小村大雲の最初の所蔵作品へのコメント(「昇龍」小村大雲筆&北京故宮の展示品見聞)があったことがありました。小村大雲が曾「おじいさん」という方からです。

「小村大雲は私の曾おじいさんです。私が生まれたときはもう死んでいて会ったことないのですが最近母も亡くなり曾おじいさんのことを調べていたらこのブログを見つけました。嬉しくてついコメントしてしまいました。」

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そのコメントが励みになったこともあってか、現在では当方で六作品目の所蔵となりました。

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扇の的について

壇ノ浦合戦に最中、夕刻になり休戦状態となると、平氏軍から美女の乗った小舟が現れ、竿の先の扇の的を射よと挑発。外せば源氏の名折れになると、義経は手だれの武士を探し、畠山重忠に命じるが、重忠は辞退し代りに下野国の武士・那須十郎を推薦する。十郎も傷が癒えずと辞退し、弟の那須与一を推薦した。与一はやむなくこれを引き受ける。

与一は海に馬を乗り入れると、弓を構え、「南無八幡大菩薩」と神仏の加護を唱え、もしも射損じれば、腹をかき切って自害せんと覚悟し、鏑矢を放った。矢は見事に扇の柄を射抜き、矢は海に落ち、扇は空を舞い上がった。しばらく春風に一もみ二もみされ、そしてさっと海に落ちた。『平家物語』の名場面、「扇の的」である。

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美しい夕日を後ろに、赤い日輪の扇は白波を浮きつ沈みつ漂い、沖の平氏は船端を叩いて感嘆し、陸の源氏は箙を叩いてどよめいた。これを見ていた平氏の武者、年五十ほど、黒革おどしの鎧を着、白柄の長刀を持っている者が、興に乗って扇のあった下で舞い始めた。義経はこれも射るように命じ、与一はこの武者も射抜いて船底にさかさに射倒した。平家の船は静まり返り、源氏は再び箙を叩いてどよめいた。あるものは「あ、射た」といい、あるものは「心無いことを」といった。

怒った平氏は再び攻めかかる。激しい合戦の最中に義経が海に落とした弓を敵の攻撃の中で拾い上げて帰り「こんな弱い弓を敵に拾われて、これが源氏の大将の弓かと嘲られては末代までの恥辱だ」と語った『平家物語』の「弓流し」のエピソードはこの際のことである。

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*本ブログ掲載されている小村大雲の作品へのコメントがインターネット上に掲載されているようです。「雷峰春色」、「昇龍」について記載されています

***リンクしない場合は本ブログ内で検索してみてください。

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記事は以下のとおりです。

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小村大雲の作品は、平田本陣記念館・今岡美術館といった地元の美術館などに収蔵されております。「ご覧になった」という方も中にはいらっしゃるでしょう。

例えば、「雷峰春色」という作品には、山元春挙に師事したことがうかがえる色使いが施されております。この作品では、七層からなる塔の、ひさしが重なり合って窓がくっきりしている壮観な様子が描かれております。この塔は、夕日が西に沈むころ、影が伸びる姿も美しいので、「雷峰夕照」と呼ばれるようになったという話です。そのような美しい建物ですが、現在では、エレベーターが設置されています。もちろん、社会の変化もあるでしょう。また、彼の本名は権三郎ですが、字は厳座、子荘と称しました。「雷峰春色」の箱書の印章は白文朱方印で「厳座」となっておりますので、朱文白方印は、その対比として「子荘」となっていることが推察されます。

また、「昇龍」という作品は、小作であり、本来の着色日本画ではないものの、しっかりとした技量が備わっていることを物語っております。この作品は、席画程度のものと思われますが、やはり出来映えは素晴らしいので、一度ご覧になって頂きたい作品です。また、別号には豊文・碧雲湖畔人・赤松子・豊瑞・豊花などがあります。「昇龍」には、「豊文」という別号の印章が用いられております。 小村大雲という名前を聞いたことの無い人も数多くおられるかと思いますが、その作品を見れば、きっと、言い知れない感銘を受けられることでしょう。

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今週のなんでも鑑定団にも小村大雲の作品が出品されていました。最近、なにかと話題になる画家なのでしょうか?

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掛け軸を「贋作ばかり」、「カビくさい」という御仁は、毛嫌いせずにもう一度日本画というものを振り返ってみてほしいものです。小村大雲は贋作の少ない、出来にもばらつきの少ない画家であり、日本画を見直す対象には格好の画家のように思います。

さて新天地で巧く生きるのには、否定することを極力控えて好奇心を持ち続けること、転勤で11回も引っ越した小生の処世術・・・・。Image may be NSFW.
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表舞台で指名されても的を外さないこという運も必要ですかね? 新天地で腕試しに指名されることは多いようですが、成功するも失敗するも、生きるも死ぬもこの世は常に残酷な一面を持っているようです。

とにもかくにも地道に生き抜くこと、いつか必ず花開く!

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