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源内焼 その94・95・96 三彩玄武六角香合・蓮弁香合 ・葵楼閣文茶托五客揃

毎朝6時頃の小生の出勤時には見送りしてくれる息子が「今日はいかない!」と言い出しました。どうも前の日に家内もお茶の稽古に出かけ寂しかったようです。親が出かけるのを「寂しい。」と拗ねているようです。「はい、パパさんも寂しいよ。」というと、しぶしぶ見送りに出てきました。ひとつひとつ乗り越えるものが明白になってきている息子です。

さて本日紹介するのは、源内焼の作品においては皿や鉢に比べると数が少ないと言われている香炉、香合、茶托などの小物の作品です。

最近、この手の作品がたやすく入手できるようになっています。もともとは源内焼は幕閣などへの献上品や進物がメインでしたが、評判が高まるにつれて、作品の領域が小物類に広まったように思われます。近年まで献上品などであったがために、源内焼という認知度が低かったのですが、最近になって小物類も源内焼と認識されつつあるのでしょう。

源内焼 その94 三彩玄武六角香合
合箱入 
幅75*奥行57*高さ50

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玄武は北の守り神です。

近年まで源内焼という作品群への認知度が低かったために、源内焼は未だに美術館の所蔵作品は少なく、その多くは個人蔵です。美術館では源内焼の代表作である地図皿や軍配皿のようなものを陳列していますが、このような小物類を陳列しておかないと、源内焼の全貌は見えてこないと思います。

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根津美術館で開催されてから最近まで源内焼の大きな展覧会は催されていませんが、その大きな理由は作品の多くが個人蔵が多いということでしょう。

さて本作品はまるで最近作ったかのような・・。

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源内焼にはときおりやたらと保存状態のいいものがあり、その作品らは新品同様の状態です。一方では軟陶なために非常の保存状態の悪いものと両極端です。

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源内焼はその主流の作品と源内焼から派生した亜流の作品群、再興された作品群がありますが、それらの作品群はあまりにも下卑た出来悪い作品が多いゆえ、その線引きはきちんとしておく必要があると思います。

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源内焼に玄武の香合はいくつかあるようです。本ブログで紹介した作品には下記の作品があります。源内焼には代表的な陶工が4名、幾つかの窯があったようなので、時代や窯によって作品の種類、作行きに特徴があるようです。

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源内焼 その95 三彩蓮弁香合
合箱入 
径77*高さ60 

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実際に香を焚いて使われていたようです。

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型で作ったのでしょうか? 手作り感があります。

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持ち手のつまみの菊文様がいいですね。

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蓋の裏が真っ黒になっています。さてこの汚れは落ちるのかな?

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蓮弁の文様の作品は本ブログで以前に紹介した下記の作品があります。これも同じ窯の作品でしょうと推察されます。

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最後は前回紹介したと同様の茶托の作品の紹介です。

源内焼 その96 三彩葵・楼閣文茶托五客揃
合箱入 
幅100*奥行85*高さ25

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小さな作品ですが品よく仕上げられています。

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下記の写真の前回紹介した茶托とは見込みの紋様が違います。前回は見込みが菊文様でしたが、今回の作品は葵の文様です。口縁の楼閣文様には違いがありますね。

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葵の文様の茶托も以前に紹介しました。菊と同様に葵の文様もまた献上品であったことが関連していたのかもしれません。

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これらの茶托も同じ窯でしょうね。見込みや口縁の文様を変えることで多様なデザインが生まれています。

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献上品や進物として作られたと一般的にはされる源内焼ですが、人気が広まるにつれて実用的な作品が作られるようになってのは間違いないようです。

品位を下げることなく実用的な作品が量産されていた工夫があるようですが、幕末の混乱期とともに源内焼は姿を消しました。

鈴木春信の工房という浮世絵の版木の技術を取り入れた稀代の陶磁器は一部の幕僚や富裕層の所持されたまま姿を消したのです。

日本の陶磁器は茶道に関わらないとあまり評価が上がらない傾向にあり、茶道に関わる方々も源内焼を知らない人が多いようです。もっと認知度が上がり、古九谷、古伊万里、古清水のようにメジャーになって欲しい源内焼です。


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