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嬌羞 島崎柳塢筆

畑で採れた芋を会社でおすそ分け・・・。

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さて祖父は美人画好きなようで、展示室で他の作品には目もくれず、この作品がいいと・・・Image may be NSFW.
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嬌羞 島崎柳塢筆
絹本水墨着色軸装 軸先塗 共箱
全体サイズ:縦1917*横393 画サイズ:縦1100*横363

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共箱に「甲辰夏日」とあり、明治37年(1904年)頃、40歳頃に描かれた作品であると推察されます。印章には「湘々亭」という号が使われています。

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共箱部分の拡大は下記のとおりです。思うにこのような落款と印章の資料はインターネット上では非常に少ないですね。

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題名の「嬌羞(きょうしゅう)」は「女性のなまめかしい恥じらい」という意味で、「嬌羞を含んだまなざし」などとして使われる。

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島崎 柳塢(しまざき りゅうう)については本ブログでは初めての紹介となりますので、来歴を下記の記します。

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島崎 柳塢(しまざき りゅうう):慶応元年5月4日(1865年5月28日)~昭和12年(1938年)1月21日)。日本の明治時代から昭和時代の日本画家。特に美人画を能くした。川端画学校教授。

江戸牛込で生まれる。本名は友輔、字は子文、別号に黒水漁史、湘々亭、栩々山人、春岡外史など。曽祖父は大田南畝の実弟・多田人成。父は酔山と号する清水赤城門下の漢学者で、東京では名門の一つとして知られていたという。

幼少から父より漢学を学び、書は高田忠周に、詩を植村蘆洲に学び、小学生時代は夏目漱石と親しかった。明治12年(1879年)桜井謙吉に洋画を、竹本石亭に南画を学んだあと、松本楓湖に師事する。しかし、明治14年(1881年)第2回内国勧業博覧会で川端玉章の「浜離宮秋景図」を見て感動し、その門人となる。

玉章主催の天真画塾で学ぶ傍ら、明治18年(1885年)から同25年(1892年)まで大蔵省印刷局に勤務し、製版印刷技術を身につける。この時紋様図案を熱心に研究したことが、後の風俗美人画でも活されることになる。

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明治24年(1891年)村田直景・丹陵親子と、同塾の若手・福井江亭らと日本青年絵画共進会の創立に尽力する。翌年の同会主催の第1回青年絵画共進会では審査員に推挙され、その後も同会の指導者的存在だった。

明治29年(1896年)三井呉服店から委嘱を受け、染色の意匠図案を手がける。同年発足した日本絵画協会にも参加し、有職故実に則した近世風俗画を発表するようになる。

明治30年(1897年)の第3回絵画共進会では、「春園」で二等褒状を受ける。しかし、日本絵画協会が次第に東京美術学校の若手で占められるようになり、翌31年(1898年)望月金鳳らの呼びかけに応じて日本画会の設立に参加し、その幹部となる。以後、日本美術院には参加せず、むしろ旧派の日本美術協会へ移る。

日本美術院の観念的理想主義に対し、自然主義を唱えた无声会に参加し、ここで力作を発表した。明治40年(1907年)東京勧業博覧会では「美音」で二等賞を受賞。

*下記の作品の「美音」は東京国立博物館所蔵です。

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明治45年(1912年)『柳塢半切畫集』を画報社から出版。文展には毎回出品したが、帝展改組後は関わりを持たなかった。

昭和12年(1938年)日暮里の自宅で没した。享年71。

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島崎柳塢は今では「忘れ去られた画家」と言っていいほど知っている人は少ないと思います。

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小樽の鰊御殿、貴賓館には「八仙の間」の屏風を島崎柳塢が描いています。また三越(当時の三井呉服店)が、新橋の名妓(めいぎ)小ふみをモデルにして島崎柳塢に描かせた作品があり、東京新橋駅待合室に飾られていたことがあります。

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なお上記の記事には記載されていませんが、島崎柳塢は本ブログでお馴染みの平福百穂、結城素明らと手を組み、旡声会を結成しています。

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明治、大正、昭和へ連綿と続く美人画の世界は源流は浮世絵にあったと思いますが、幕末の浮世絵美人画が退廃したことに比して、品格というのを求めたのが近代日本美人画でしょう。

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着物の柄に描かれた鳥は鶯?

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梅が描かれていますので、描かれたのは夏ですが飾るのは初春でしょうか。

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人気の高い近代美人画の作品ですが、今では知られていないちょっと粋な作品を入手するのも一興かと思います。

小生は美人よりも旨みのある「芋」がいい・・。

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