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Channel: 夜噺骨董談義
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山水図 田能村直入筆 その1

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週末には一年で恵比寿様に感謝する日。大きな鯛を買ってきて祀ります、ところで下記の写真、大黒様は右、恵比寿様は左!「おじいちゃん、間違えてるよ!」



我が家の正月の掛け軸・・。床の間は祖父愛用の木村武山の「旭日波」。祖父が正月には自分の部屋の床によく飾っていたそうです。



祖父と父が蒐集したものには贋作は一切ありません。「さすがだね。」

 

正月飾りから柴田是真の「恵比寿大黒」にこの日を境に変わります。手前は平野富山の作による「桃太郎侍?」。



離れの正月の掛け軸は狩野芳崖の「鶴図」。手前は江戸後期の古伊万里「鶴図大皿」。



こちらも河鍋暁斎の「恵比寿大黒図」の替えます。手前は弓野焼大甕、右はデルフト焼。



こういう作品はきちんと真作でなくては先祖に顔が立ちませんね。



壁掛けも替えます。この作品は色彩を直す必要があります。

恵比寿大黒面・吉祥額 加納鉄哉作



さて本日の紹介する作品は、田能村直入の作品です。多作で贋作が多いので、意外に毛嫌いされる傾向のある画家ですが、いまだにファンの多い画家でもあります。

山水図 田能村直入筆
紙本水墨 軸先骨 軸装二重箱 
全体サイズ:横444*1920 画サイズ:横323*縦1450



本作品は郷里の骨董店より厄0年ほど前に購入した作品。購入当時はまだ直入の評価も高く、売主も贋作が多い画家故に真作とは思っていなかったようです。当時(平成2年頃)で5万にて購入し、安く入手できたと喜んだ。




現在は南画の需要が低く、直入にしてもあまり評価は高くはない。とはいえ本作品は品格も高く、気に入っている作品のひとつです。ながらく男の隠れ家にて鑑賞していました。



賛は「漁翁浮小艇陶陶釣眠曛可識桃源立回即容夜雲 明治十二年巳為小春 直入山樵」とあり、意味は「漁翁小艇を浮かせようようと釣をす、夕暮れに寝るも可し、桃源(漁夫が桃林中の流れをさかのぼり洞穴から入り平和な天地で遊んだという故事)立面の識 即その姿夜雲のようである。」という意味のようです。

読める?こういうのを読める努力すらしなくなった現代人は南画を愉しむ資格はないようです。恵比寿大黒の右左を間違えるように現代には素養の基本というものがまるでなくなった。

 

表具は平成12年に締め直ししています。直入についても贋作が多く、また多作のため贋作が多く入り混じっていることが考えられます。本作品は出来、落款、印章から真作と判断しており、力作ではないにしろ佳作の作品といえるでしょう。朱方印「痴」、白方印「□□」が押印され、右下、賛の左上に遊印が押印されています。

 

このような南画を愉しむ風情が日本人から消えていく・・。



「その姿夜雲のようである。」というのは愉しめる日本人の姿そのものとだぶるように思えます。



片岡球子を愉しめて、南画も楽しめる。良き時代に我々はいるのに愉しみ方を知らない・・。

この作品も見た叔父が「いいね~、さすがに直入。」と感想を漏らした姿を忘れない。ちなみに叔父の蒐集には片岡球子をはじめとしたそうそうたる蒐集品がありました。むろんすべて真作・・。祖父や父も含めて昔の蒐集家は偉かった 母によって小生に委託された父の蒐集品以外は、理解無き後継者によって雲散していますが、少しずつ手元に戻りつつあります。

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