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氏素性の解らぬ作品 波佐見青磁 草文陰刻大鉢

男の隠れ家の裏側にあたる敷地に新築されている家がだいぶ出来上がってきました。全部で三棟建つらしい。

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道路ひとつ隔てた表側にはリフォームされた家が売り出しされていますし、さらにもう一軒は最近、リフォームされて出来上がっています。なにやら過疎化の進む地域なのに、近所は慌ただしくなっています。

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あらたな来られる住人が良き住人であることを祈るばかり・・。

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当方は表側も裏側も袋小路ゆえ除雪スペースを確保するため裏側の隣地と表側の隣地を購入しておきました。

*袋小路は子供や老人にとっては交通安全性上、とてもよい環境となります。

男の隠れ家の新たな増築の妄想だけは広がっていきますImage may be NSFW.
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隣人によると母が植えた垣根にある百合は見事らしいのですが、まだ開花ぜず今年もまた見られないようです。留守が多い家なので母が植えた茶花は除草剤や草刈りの餌食になっていますが、植え込みの百合だけが助かっているようです。

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このたび和室の小窓にも網戸を追加で取付ましたので、今回の帰郷で茶室や水屋に風通ししておきました。水屋は湿気が多いので換気や空調が大切ですし、北国では凍結対策も必要です。また北側に多い押入れなども湿気は禁物です。

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さて本日、紹介する作品は青磁の作品です。

青磁の作られた産地や時代の推定は素人にとっては非常に難しいものです。本作品は古伊万里に分類されるのでしょうが、人によっては初期伊万里、波佐見焼に分類する人もいるでしょう。

調べていくと初期伊万里の青磁は古伊万里とは一線を画すべきで、古伊万里についても青磁は波佐見焼との判別が問題となるようです。さらに波佐見焼でも初期の作品は評価が高く、17世紀後半以降は評価が下がるもののようですのでさらに判別する必要にせまられるようです。

本作品は割れた破損の補修跡があるものの、一尺を超える青磁の大鉢は少なく、また陰刻の文様がのびのびとしており、見込みの周囲や口縁にも陰刻の文様のあることから当方では出来は良い部類と考えています。

波佐見青磁 草文陰刻大鉢
合箱入
口径355~358*高台径155*高さ88

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伊万里の青磁は初期伊万里の頃にも存在していますが、初期伊万里は数が少なく、現実は初期伊万里と称している作品の多くは時代が下がり、厳密には多くは古伊万里と称した方がいい作品のようです。

また同様な作品で伊万里系統に混同されるのが波佐見焼の青磁の作品です。今から300年くらい前の17世紀後半から18世紀初頭に掛けて作られた古伊万里の一種で、長崎県波佐見町で焼かれたのが波佐見青磁ですが、多くは総括して古伊万里の青磁、または時として初期伊万里青磁と称しているようです。

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一般的に古伊万里の初期特有の特徴、日本の初期青磁の特徴といってもいいのでしょうが、器形は二段鉢のような成形、釉薬は裏面まで生掛けでたっぷり掛かった青磁釉が美しく、温かみがある青磁の発色にあるようです。そして波佐見青磁では見込みを中心に陰刻で大きく描かれた、おおらかな草花文、口縁にも陰刻がデザインされていることが特徴のようです。

本作品は高台が眼鏡底のようになっており、高台の部分が広く茶色く釉薬を剥がした状態にあります。初期青磁伊万里とは大きく違う点ですね。

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古伊万里とは別に分類されることがある作品が、伊万里を焼いた佐賀県有田町の隣にある長崎県波佐見町で焼かれた波佐見青磁(木場山窯)です。

波佐見青磁は17世紀前期のものが美しい色合いやシャープな彫りでかなり高い評価が出ます。後期のものの特徴は高台の部分が広く茶色く釉薬が剥がされ、そこの真ん中に一本筋が通っています。これは「チャツ」と呼ばれる碗型をした窯道具で、持ち上げて窯の中に入れた跡らしいです。この技法が中国から伝わったのが17世紀半ばですので時代を判別できるそうです。「チャツ」と呼ばれる碗型をした窯道具を用いた作品は時代が下がった作品として評価されているようです。

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ただ日本の青磁には三田(さんた)青磁、鍋島青磁、また京都でも焼かれたようですので、一様な青磁といえども日本だけでもかなりの種類があり、さらには中国や朝鮮からの渡来品もあるので、青磁の判別については小生のような素人が判別できるような代物ではないようです。

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本作品は割れて補修の跡がありますので、価格的にはそれほど高価ではありません。当方のような素人はこのような手頃な作品を実際に入手して勉強していくのがいいようです。最初から完品を求めて買うなら、信頼の置ける骨董商から買うのがいいでしょうが、資金的に対価を払う覚悟が要りますね。

*本作品は大きさは一尺を超え、さらに見込みとその周囲、口縁の陰刻が見事ですので、この点からは鑑賞するには補修跡もたいしてマイナス点にはならないように思います。

本作品は上記の観点から当方では波佐見焼青磁の17世紀後半以降の作品としてとらえています。

参考までに「なんでも鑑定団」に出品されていた波佐見青磁の17世紀後半の作品と前半の作品?を掲載してみました。

参考作品
波佐見後期青磁 草文陰刻大鉢
2011年11月1日 なんでも鑑定団出品作
評価金額 150万

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「今から300年くらい前の17世紀後半から18世紀初頭に掛けて作られた古伊万里の一種で、長崎県波佐見町で焼かれた波佐見青磁。」という説明でした。

参考作品
波佐見前期青磁 草文陰刻大鉢
2011年3月22日 なんでも鑑定団出品作
評価金額 150万

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「1630~50年代に作られた古波佐見焼の青磁香炉。 当時国内唯一の品質の高さを誇った窯。」という説明でしたが、時代の判別の根拠、評価がよくわかりませんね。

波佐見焼の前期と後期の判別は前述のように「チャツ」と呼ばれる碗型をした窯道具を用いた作品か否からしいのですが、当方ではきちんとした判別方法が良く解っていません。高台内の釉薬を剥がした茶色の部分に二重円があるかどうかなのでしょうか?

江戸幕末(安政年間)に家内の実家で使っていた机に上において本作品を飾ってみました。

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それにしても評価金額は高すぎ? 一部には後期の作品でも数十万の評価の作品もありますが、ともかく「なんでも鑑定団」の査定額は高すぎてこの価格では決して売れませんので評価金額は鵜呑みにはできませんね。基本的に高くても10分の1が実際の売買金額だと考えています。

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一般的に後期の作品は陰刻の彫にシャープさがなくなり評価は低くなっているようですので、どうも基本的には陰刻の出来不出来が評価のポイントになりそうです。

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本日紹介する青磁は青磁のほんの一部分の推測にしかすぎません。陶磁器の世界は奥が深い・・・。少なくても本日紹介したような作品を初期伊万里と称するのは止めたほうがいいようです。

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生掛けしているからと言って即「初期伊万里青磁」としている作品が意外に多いように思います。

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ある程度の時代の差より、作品自体の良し悪しで評価すべきところ、骨董の世界では時代的な分類が評価の対象となるのはないか違うように思う時があります。

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いくら初期伊万里が貴重とはいえ、一部の作品のずばらしさからすべてが貴重なようになっているのは如何なものでしょう。

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美的観点からはあくまで美しいか否かが焦点です。

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ただ、知識としては持ち合わせていないといけないのも事実Image may be NSFW.
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