特別投稿　保戸野窯　２０１８年

金足農業が甲子園で活躍する直前のお盆前、８月１１日の平野庫太郎氏の告別式に出席するために仕事を終えた前夜に秋田に着きました。小雨降る夜、秋田駅前のホテルにチェックイン。

事前に手配していた帰郷のチケットをキャンセルしての急きょの新幹線の切符変更となり、休日前の切符はなかなかとれず、結局生まれて初めて新幹線こまちのグリーン席に乗車しました。

告別式の日の朝、ホテルの部屋の窓のカーテンを開けると一面の水連の池・・。

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そうか、このホテルは千秋公園のお堀の真ん前か・・。

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当日は告別式、法要に参列し、改めてそこで大切な友人がひとり旅立ったことを実感させられました。またひとり大切な人を失った・・・。

午後から普通電車で男の隠れ家へ帰郷、食堂にはいつものように平野庫太郎氏から戴いた器が置かれています。

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印鑑入に使っている平野庫太郎氏の失敗作？　釉薬の様子見か、もしくは失敗作か？　工房に置いてあった作品を無理に頼んで戴いてきた作品です。このような作品は結構私の手元にあります。訪問するたびに失敗作らしきものを戴いてきているからです。

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まるで涙のように釉薬が流れ、見込みには蝶のような文様ができている均窯の作品です。

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「そうだ、男の隠れ家にある平野庫太郎氏の作品を全部出しみよう！」と思い立ち、あちこちから作品をひっぱり出して和室の棚に飾りました。

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購入した作品と戴いた作品が五分五分・・。

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付き合い始めて３０余年の間にずいぶんと作品が増えたものです。まだ自宅の方には同等数以上あるはず・・。ひとつひとつの作品の紹介はまた改めてしたいと思います。

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作品を並べ終わった頃にはとっくに日が暮れて、お隣さんから「大文字焼が始まったよ～」とお声がかかりました。

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そして花火が・・。一人で大文字焼と花火を眺めながら、「このまましばらく作品は飾ったままにしておこう。」と思いました。鎮魂・・・・。

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ただただご冥福を祈るばかりの一日・・、後日、帰京する日には改めて秋田市に立ち寄り、平野氏の自宅に家内と息子共々で伺い焼香してきました。