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氏素性の解らぬ作品 書 「藿」 天龍道人?筆 (その38) 

一時期は天龍道人の作品を入手するのはまったく問題無かったのですが、今は品薄?で非常に入手が困難となっています。葡萄図、鷹図が代表的な作例ですが、鷹図や着色された作品を見かけることがまったくなくなりました。なぜでしょう?

そんな品薄にしびれをきらして購入した作品の紹介です。どうも葡萄図で有名な天龍道人ではないような気がします。

書「藿」 天龍道人筆 
紙本水墨軸装 軸先骨 合箱
全体サイズ:縦1220*横600 画サイズ:縦*横

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葵藿の志(きかくのこころざし):ひまわりの花や豆の葉が日に向かって回るように、徳の高い人を慕い、心を寄せること。
▷葵=ひまわり。藿=豆の葉。
出典:我葵藿志、松柏眼前横〔洪淹-詩〕類葵藿陽に傾く。

茶掛けに良いと思って入手しましたが、天龍道人の作品か否かは検証中です。

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茶掛けとしての表具もまあまあでしょう。勤王の志でもあったと伝えられている天龍道人。そういう観点からも興味深い書だと思ってのですが・・・。

「天下傾状葵藿心 □峰天龍道人 押印」・・、現在の判読はここまで。

なお手前に置いてあるのは桃山期の織部獅子香炉(真作)です。

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押印類は下記のとおりです。天龍道人としては類例のない天龍道人の押印類ですが、天龍道人の姓の「王」の字が読み取れます。なお天龍道人という呼称は70歳頃からです。

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天龍道人か別人か? 書としてそれなりに良さそうですので、茶掛けしては普段使いには使えるでしょう。

さて「道人の名を不朽にしたのは、勤王の志ではなく葡萄(ぶどう)と鷹の絵事による。」・・・という評が天龍道人にはありますね。

*骨董の世界は割り切ると個人では所有者の判断に真贋は委ねられており、誰の作であろうと気に入っている者には価値がある。でも誰の書だろう・・・??

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