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游鯛図 その2 中村左洲筆 その6

中村左洲といえば鯛の専門画家のようにいわれることがあります。それは下記の事項が理由でしょう。

1.左洲が漁師でもあったこと、
2.魚類は円山四条派の重要な写生対象であったこと、
3.鯛の絵は吉祥画として多くの需要があったこと

確かに、鯛を描いた作品には終生伊勢の海に親しみ、伊勢志摩の自然と一体化したかのような彼の特質を見ることができます。本日はその鯛を描いた中村左洲の作品の紹介です。

游鯛図 その2 中村左洲筆 その6
紙本水墨淡彩軸装 軸先塗 誂箱 
全体サイズ:縦1910*横460 画サイズ:縦1250*横305

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中村左洲の作品は一部を除き、鯛を描いた作品が秀作ですね。

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その鯛もちょっと極端にグロテスクに描いた作品はどうかと思うし、一匹や二匹を描いた作品では構図的にありきたりのものが多い。評価もそれらの作品は数万円程度しかならない。

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やはり群れで描いたりして構図的に面白いのが中村左洲の真骨頂であろう。その点本作品は3匹の鯛で数は少ないが、構図的にも面白いし、鯛の表情がコミカルで魅力ある作品となっていると思います。

「おい、ねーちゃん。一緒に飯でも食おうぜ。」と美人の鯛にちょっかいを出している鯛。迷惑そうな美人の鯛。遠くから「やめとけよ。」と言いたげな鯛。

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印章と落款は下記のとおりです。右の印章は大正15年に描かれた作品の印章で同一印章です。

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印章が大正15年頃の作品と同一印章であることから、さらに落款から推察するとその少し後と思わることから昭和初期の作品と推測そています。

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鯛を描いた中村左洲の作品はたしかに面白い。


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