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秋渓早雪図 山元春挙筆 その7

山元春挙の作品を入手するなら山野や山渓を描いた大画面の作品を選ぶべきでしょう。花鳥画などの通常サイズの作品もかなり流通していますが、それらの作品は山渓を描いた大画面の作品に比べると見劣するのは否めません。

本日は大画面というには少し小さめですが、保津川の秋の景色を描いた作品の紹介です。

秋渓早雪図 山元春挙筆 その7
絹本水墨着色軸装 軸先象牙 二重箱共箱
全体サイズ:横628*縦2290 画サイズ:横425*縦1345

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この作品の落款は下記のとおりです。

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落款にある「蘆花浅水荘」についての説明は下記のとおりです。

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蘆花浅水荘:蘆花浅水荘(ろかせんすいそう)は、大正10年(1921年)日本画家山元春挙の別邸として琵琶湖の畔(滋賀県大津市中庄)に建てられた近代和風建築である。所有者は宗教法人記恩寺。平成6年(1994年)に国の重要文化財に指定された。

蘆花浅水荘は、琵琶湖の西岸に位置する。山元春挙がこの土地を購入したのは1914年(大正3年)で、1921年に本屋が上棟された。敷地はかつて琵琶湖に直接面しており、敷地東端には舟着場が残っているが、その後、湖岸が埋め立てられ、湖岸道路が開通して、往時の景観は失われている。敷地の西寄りに本屋と離れが建ち、敷地東側は築山と流水を伴う庭園で、持仏堂、茶室などが建てられている。本屋は1階が居室、2階はアトリエと応接室になっている。

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本作品と同じ落款を用いている作品は下記の作本です。亡くなって年に描かれ、春挙最後の大作といえる作品で足立美術館蔵「奥山の春図」です。昭和8年(1933年)の作で淡交会展出品です。ウィキペディアに山元春挙の代表作として掲載されている作品です。

本作品と見比べてみました。「動」と「静」、「夏」と「晩秋」。

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おそらく保津川の渓谷を描いた作品でしょう。

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晩秋の紅葉に早めの雪が降ってきた風景を描いています。

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紅葉に新雪・・・。

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山元春挙の晩年の佳作と言える思います。

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このような絵画があることを日本人として感謝しています。

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残念ながら小生は保津川を訪れたことはありませんが、「紅葉に新雪」の景色では登山をしていた頃に味わった涸沢の景色が忘れられません。

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さて紅葉と新雪・・、今年は如何だったのでしょうか?

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上高地から涸沢や槍澤に今年も行けない小生は、以前に紹介した下記の作品と並べて展示室に飾って愉しみました。

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保津川清流之図 山元春挙筆
絹装軸絹本着色 二重箱共箱入
全体サイズ:横513*縦2140 画サイズ:横360*縦1203

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夏と秋・・・・・。

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さらには下記の作品との比較も面白いかと思います。

深山春雪之図 山元春挙筆 その5
絹本水墨淡彩軸装 軸先 二重箱共箱入
全体サイズ:横730*縦2030 画サイズ:横*縦

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こちらは本作品と比較すると晩秋の初春。いずれも保津川を題材にした作品でしょう。

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山元春挙の山水画は床の間に映える作品が多いですね。年齢と共に遠くなった山岳の景色を掛け軸で愉しでいると、掛け軸の有難みを改めて感じます。

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