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松 和漢朗詠集 古今和歌集

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なんか面白ろそうと購入・・、数千円也。書の作品は全くもって、不案内な当方としては悪戯心としかいいようのない買い物でした。

歌の内容はなんとか判明しました。

松 和漢朗詠集 古今和歌集
紙本刺繍軸装 合箱
全体サイズ:縦1150*横620 画サイズ:縦290*横435



歌が二つ・・、説明文はインターネットからの検索です。箱の裏には「桃山時代」??? 「せいぜい昭和でしょう」と家内は言っております。

? 和漢朗詠集:巻下 松・四二五  源順

  「十八公栄霜後露 一千年色雪中深」



源 順(みなもと の したごう):延喜11年(911年) - 永観元年(983年))は、平安時代中期の学者・歌人。嵯峨源氏の一族で、大納言源定の孫・左馬允源挙(みなもと の こぞる)の次男。子に貞がある。下総権守・和泉守等を歴任し、極官は従五位上、能登守。三十六歌仙の一人に数えられる。大変な才人として知られており、源順の和歌を集めた私家集『源順集』には、数々の言葉遊びの技巧を凝らした和歌が収められている

【訓読】十八公じふはちこうの栄は霜の後のちに露あらはれ 一千年いつせんねんの色は雪の中うちに深し
「十八公しふはつこうの榮えいは霜の後に露あらはれ 一千年いつせんねんの色は雪の中うちに深し」
【通釈】松の栄誉は、霜の後にも色を変えないことで顕れる。一千年変わることのない色は、降り積もった雪の中でひときわ鮮やかになる。
【付記】「松」の字を分解して「十八公」とした。出典は源順の詩「歳寒知松貞」。
 「松」の字を分解すると「十」と「八」と「公」の三つに分解できる。 松は、神を待つ(松)木、年中緑を保ち、岩場など痩せ地にも生育するので、尊い存在として尊敬の念と込めて、「松」の字とを分解し「公」の字が付くようにして「十八公」とも呼ばれている。これで「まつ」と読んだり、「じゅうはちこう」と読んだりする。
【関連歌】上0741、上0847

刺繍のされた表具・・これは改装に使える。洒落た和紙・・書よりこちらに惚れ込んだ


? 古今和歌集 巻第一 春歌上  源宗于
  
  ときはなる まつのみどりも はるくれば いまひとしほの いろまさりけり 



源 宗于(みなもと の むねゆき):生年不詳 - 天慶2年11月22日(940年1月9日))は、平安時代前期から中期にかけての官人・歌人。光孝天皇の皇子是忠親王の子。娘に閑院大君がいる。官位は正四位下・右京大夫。三十六歌仙の一人。

寛平の御時后宮の歌合せに詠んで番われた歌。
ひとしほ:原義は、布などを染め汁に一度入れて浸すこと。

松は常緑樹で一年を通して色が変わらないが、春が来るとすべての木々が緑を増してあざやかに見えるように、松も一段とあざやかさを増している。 春の到来は松の色さえもあざやかに見えると詠んだ歌。

「ときは」は樹木について言う時は一年中色を変えない常緑樹を言います。松はもとより寿命の長い樹木として知られ、長寿の象徴とされましたが、「ときは木」である松は霜や雪に遭っても色を変えずに耐えるところから不変の象徴として好まれ、さらに永続する時間を示唆するものにもなりました。詩歌の世界では、雪や月、風と取り合わせられることが多いので季節としては冬の素材です。その一方で縁起の良さから新年の風情にもよく詠まれました。この世の栄えを永遠までと祈る心に重ねられるからです。

かつて陰暦で暮らしていた頃は、新年は基本的に立春(現行暦の2月4,5日頃)に重なりました。新春は名実ともに春でしたが、現在のお正月「新春」は陰暦で言えばまだ11月の末ですから自然界は冬というほかありません。風凍る中で、伝統的な新春の季節の景物を詩歌に詠み、書くのは、実感とかけ離れすぎてしまいます。そんな暦事情の中、松は新年の清新さとおめでたい気分と今の季節感とを無理なく託すことができる題材として貴重かもしれません。

さて歌の意味は解ったのですが、誰が書いたのかは? いつ頃の作品か?

紙の金彩は手書きに相違ないようです。



よく描けています。



表具の刺繍は鶴。



これも手縫いのようです。



古い木箱に納められ、箱裏には下記の写真の書付、花押が署されてあります。



なに?桃山時代?? 家内曰く「昭和じゃないの?」

ま〜、初釜にお軸かな〜。 













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