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真作考? 松石不老図 平福百穂筆 大正13年(1924年)頃

誠に残念ながら平福百穂の贋作は数多く存在し、素人目にも贋作と解る作品、玄人でも見分けの難しい作品とグレードがあるようで、さらに面倒なことに手彩色を施したものを含めた巧妙な複製が存在し、平福百穂の作品については、富岡鉄斎ほどではありませんが、作品の真贋の判別は困難を極めるようです。

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平福一郎、島田柏樹、舟山三郎らの鑑定書が添付されいる作品はある程度信用できますが、それも100%信用できるものではないとされています。

*当方では最近精巧な複製に平福一郎の鑑定箱を誂えた秋田市内の出品者からの作品をネットオークションで落札し、「画像では判断がつかない。」と苦情を申し入れましたが、「模倣」作品で出品しているからと返品を拒絶されました。このような苦情に応じてくれない出品者には要注意ですね。

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本日紹介する作品は平福百穂の舟山三郎鑑定書のある作品ですが、この作品は出来、落款や印章から真作と判断できる作品です。

松石不老図 平福百穂筆 大正13年(1924年)頃
絹本水墨淡彩軸装 軸先象牙 舟山三郎鑑定書入箱 
全体サイズ:縦1110*横380 画サイズ:縦*横(未測定)

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平福百穂独特の晩年の筆致が魅力となっています。

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小点ながらきちんとした平福百穂の真作です。

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表具なども品のある表具になってるはずです。

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当方の他の所蔵作品との比較や画集からの作品を参考とすると、落款と印章から大正末期の作と推定されます。残念ながら共箱ではなく、おそらく小色紙の作品を表装したのではないかと思われます。

印章の「白田舎刀」はおそらく大正8年に創設された画塾の名「白田舎」からと推察され、少なくても本作品は大正8年以降の作と思われます。この「白田舎刀」の印章は長方と楕円の2種類があり、主に大正末期から昭和初めに使用されているようです。

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舟山三郎鑑定書には「鑑定證 一.松石不老 小色紙 右ハ先師百穂先生 真筆相違なきもの也 昭和二十八年一月□拝 弟 舟山三郎證鑑 押印」と記されています。 

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「弟」というのは弟子という意味でしょう。

一般に肉筆の贋作は目安が付きやすいですが、精巧な複製は印鑑も真印ですし、落款や筆致も真作と同一ですので要注意です。









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