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Channel: 夜噺骨董談義
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支那急須(豫豊款大茂銘梅陽刻木節文紫砂急須壺) 清朝末期

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急須のひとつでも欲しいと思って購入した作品が下記の作品です。当方には全く門外漢の中国の急須の作品ですが、調べた限りの範囲で紹介します。

支那急須(豫豊款大茂銘梅陽刻木節文紫砂急須壺) 清朝末期?
合箱
最大幅170*奥行70*高さ70



作られた窯は「宜興窯」らしい・・。

宜興窯:(読み:ギコウヨウ)。中国江蘇省宜興近郊の陶窯。明代以降に栄え、鈞窯(きんよう)系の雑器や朱泥(しゅでい)・紫泥(しでい)などの茶器を産する。

宜興窯は景徳鎮窯と並び「磁都景徳、陶都宜興」と呼ばれる陶器製造の主要窯です。



特に宜興の土地特有の紫紺色の土を使った「紫砂」と呼ばれる焼き物は有名で、朱泥の急須のような上品な質感を持った茶道具は、中国のお茶の文化を支えています。

また、この紫砂は日本にも大きく関わりがあり、日本の朱泥の急須はこの宜興窯の紫砂を手本に作られたそうです。明治時代初期、愛知県の常滑窯に宜興窯の陶工であった金士垣という人物が招かれ、常滑窯の職人たちにその技法を伝授したことから、日本には朱泥の急須が広く伝わったようです。



宜興窯での紫砂の生産には、少なくとも1000年以上の歴史があるとのことです。

茶器で使われる紫砂は特に「紫砂壺」(日本ではしさこ、しさへい)と呼ばれ、これを使ってお茶を淹れると地の表面の微細な穴が、お茶の成分を蓄え、香りを豊かにし、茶器自体も経年によって光沢を増し、保温性にも優れています。

中国で急須を用いてお茶を淹れる文化が確立されたのと同じ頃に、この紫砂壺も出来上がったと考えられており、古来から茶道具の1つとして親しまれてきました。日本には19世紀末に伝えられましたが、20世紀には国外の博覧会で賞を受賞し世界的に名を広まりました。それ以後も技術の研究を進め養成所を開設するなどして、作品の改良に努めています。日中戦争などの戦乱後は、一時衰退の傾向もありましたが、国営の工場の設立や地域の尽力によって、現在でも伝統は受け継がれています。



中国では偽物(レプリカ)製作が盛んで、本当の意味では作家本人から購入した紫砂壺以外はレプリカの可能性も疑わなくてはならないとのことです。また一般の観光で宜興を訪れて商店で購入される紫砂壺は、そのほとんどが本物ではないばかりか、宜興産でない可能性があるそうです。宜興紫砂壺は近年、中国の物価の上昇と共に異常な値上がりが続いているとのこと。これは紫砂材料産地である黄龍山の紫砂の鉱脈の枯渇が現実問題となってきたことと、宜興紫砂壺までもが投機の対象となっている事が主な原因です。人気作家や有名作家の作品は常に値上がりが続いています。

紫砂器をコレクションする楽しみの一つは,作者の款識(落款)があることだと思います。落款とは,壺の底等に字を刻むか印を押すもので,紫砂器は特に景徳鎮の官窯などのような年款(製作年代を入れたもの)でなく,作者個人の名前や字(号)が入っています。



景徳鎮の磁器は昔から,分業による流れ作業で製作していたのに対し,宜興紫砂は,土の配合から装飾までほとんど作家個人が行うため,作者銘があるそうです。この作者の名款があるために,そのコレクション的な価値を増していると思います。

無冠のものや,晩清の輸出ものに多い「宜興紫砂」款がありましたが,文革時に個人名を入れず番号で表わすようになり,文革後も80年末くらいまでは単に「中国宜興」款だけになったことがあります。

これを,香港の大コレクターである羅奇祥先生が提案して再び作家の名款が入るようになったのだそうです。「中国宜興」のままでしたら,現代の作家ものというカテゴリは存在せず,コレクターもこれほど増えてはこなかったのではないかと言われています。

ただし,落款は真贋の判定には使えても決定的なものではありません。つまり,落款は本物である証拠にはなないから面倒ですね。



本作品の底に銘のある「豫豊」は清朝末期から民国にかけて天津で開業した茶壺店の名前のようです。マーケットが北京など北方であったため,漢字と満州文字が入るのだそうです。蓋に銘のある「大茂」は人の名前でしょうが残念ながら詳細は不明です。



昔は写真がなかった?ので箱に絵を入れて保管したのでしょう。



ともかく当方には門外漢の作品、よく分かっていない作品です



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