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普段使いの日本の壺

本日は本ブログで取り上げてきた備前と信楽の壺の紹介で、最近展示室の置かれている作品です。

古備前舟徳利 江戸中期
杉箱入
口径50~55*胴径190*底径175*高さ380

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自画自賛ですが、これほど大きな舟徳利で出来の良いものは観たことがありません。

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故意ではない緋襷の文様がみごとです。現代の壺の緋襷は故意につけたものばかりです。

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世界ラグビーが日本で開催され、ラグビーの面白さが改めて実感できるのですが、この器を観てなぜラグビーボールは楕円形なのでしょうか?という疑問が湧きました。

そこで検索してみると下記のような問題をインターネットで見つけました。

古代ローマ時代、頭蓋骨をボール代わりにしていたから
持って走るとき真ん丸のボールより楕円の方が持ちやすいから
アフリカ原住民がダチョウの卵をボール代わりにしていた
ブタの膀胱に空気を入れてボール代わりにしていたから
ポリネシアの人たちが椰子の実をボール代わりにしていたから

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どうも全部正解だとのことImage may be NSFW.
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ただラグビーというスポーツは起源や歴史がはっきりとしたスポーツで、1823年、当時のサッカー(フットボール)は手でボールを持つことが許されていました。そしてイングランドのエリスと言う少年が、ボールを持ったまま走ってゴールしたことがラグビーの起源とされています。

そのエリスが通っていた学校でラグビーボールは豚の膀胱を縫い合わせたボールを使っていたため、直接的なラグビーボールが楕円になった理由は「豚の膀胱」なのかもしれませんとのことです。なおNHKのチコチャンは知っているでもそのような解説だったと記憶しています。

さて次は古備前の壺です。

古備前壷 室町中期
口径約130*胴径300*底径約170*高さ360

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この作品は首周りに複数の線が入っていること、窯印があることが見どころになっています。よく備前の壺や花入れに水をスプレーでかけて景色を際立たせる御仁がいますが、あれは品がなく、みっともないですね。自然のままがいい・・。

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窯印が「of]に見えるのがいいですね。「of]は「の所有する、…に属する」という意味ですから、共有の窯で作った人の所有を示したのがもともとこの窯の印ですから、つまり「of]なのです。

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無論この作品を作って時代には英語など知らないで、印を付けたものですが、そう考えると壺の景色とともにこの印は面白い作品として味わえますね。

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次は古信楽の壺です。

信楽古壷 桃山期
杉箱入
口径107*胴径230*底径133*高さ295

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これほど景色豊かな信楽の壺も見たことがありません。

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壺というとなんとはなく成金趣味的な感じがして、大きなことはいいことというイメージがあります。

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この壺は大きさもちょうどよく、茶室にも使えます。

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しかも完品です。

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ごろんごろんと手で転がして景色を愉しめる作品です。

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蒐集を進めるうちにこのような景色の良い古信楽の作品はもはや市場にはないということを知りました。

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底は下駄底・・・。

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さて、広いスペースのなくなった現代、壺が飾られる場所を探して市場に出始めるかもしれません。でも自宅のあちこちに壺を飾る御仁はいかがなものかな? センスを疑うことがたまにあるImage may be NSFW.
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