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富楼那像 杉本健吉筆

今年の我が家の畑からの落花生は義父が亡くなったので、収穫が遅れ、多くが野鼠の被害に遭いました。それでも家族総出で収穫して少ない落花生を天日干しにし、殻をむき、選定して炒るところまで完了し、お世話になった方に配るため袋詰めまでこぎつけました。祖母に一番お手伝いしたのは息子のようです。ちなみに家内はつまみ食いして鼻の下にニキビができました。息子に「にきび、さんきび、よんびき、ごびき・・??・」とからかわれてています。

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野鼠のささげた落花生・・・・、来年の干支はネズミ、なにやら来年はいいことが盛りだくさんなような気がします。

本日は杉本健吉の作品の紹介です。

杉本健吉の肉筆画は入手が意外に困難であり、特に油彩画は難しいと思います。工芸家、デザイン家であったことから肉筆画を売りに出すことがなかったからでしょう。そのほとんどが美術館に寄贈されています。

本日はその数少ない杉本健吉による肉筆作品において、興福寺の富楼那像を描いた作品の紹介です。

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富楼那像 杉本健吉筆
コンテ 左下印章 裏共シール 誂タトウ+黄袋
全体サイズ:縦600*横470 画サイズ:縦375*横250 P6号程度

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作品中の落款はなく、押印のみです。なお額裏にあるシールは書体から本人によるものでしょう。出来から真作と判断しています。

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杉本健吉と奈良の関りは大きく、44歳の時に一念発起し、家族を名古屋に残し単身奈良に移り、絵の制作に徹する決心をしています。瑞々しく生命感あふれる奈良の風景画は次第に評価され「奈良の杉本か杉本の奈良か」と言われるようになりました。杉本健吉が生涯にわたって愛した奈良大和路の風景と、その地を丹念に歩き真摯に描いた杉本健吉の写生から生まれた数々の作品は高い評価を受けています。

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富楼那:インドの僧。サンスクリット語 Pūrṇamaitrāyaṇīputraの音訳である富楼那弥多羅尼子の略です。釈尊の十大弟子の一で、説法することがきわめて上手であったことから説法第一の阿羅漢と称されました。像はこまやかな折り目を造り、老人の顔にし、左肩を引き右肩を出し、右方を見まています。

興福寺の富楼那像 奈良・興福寺の国宝十大弟子像
興福寺 国宝館所蔵
国宝
彩色 乾漆造 奈良時代 像高:1487mm

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十大弟子像は釈迦の高弟10人の肖像彫刻で、興福寺には舎利弗像など6体が現存。奈良時代の天平6(734)年に西金堂(さいこんどう)が建立された際、聖武天皇(在位724~749)の皇后で、仏教の信仰があつかった光明皇(701~760)の発願で、粘土の原型に麻布をかぶせ、漆を重ねながら整える「脱活乾漆造」の技法でつくられました。

2009年に東京と福岡で開かれた「国宝 阿修羅展」に合わせ、十大弟子4体と阿修羅などの八部衆5体がCTスキャンにかけられています。奈良大学の今津節生(せつお)教授(保存科学)らのチームが解析した結果、舎利弗像(高152・7センチ)の表情が、原型では開いていた口を、閉じた形に変えて仕上げられていたことが新たに分かっています。

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杉本健吉が奈良・興福寺の国宝十大弟子像を描いた作品は何点かあるようですが、いずれにしても貴重な作品には相違ないでしょう。

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