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古備前波状文壷 その4 室町中期

コロナウイルスの影響で息子は学校が休校、小生は在宅勤務は多くなりました。

家に居ても小生は退屈しませんが、息子は「パパはおもちゃが多いね、いつもひとりで遊んでばかり!」と不満げ。パパのおもちゃを当然蒐集品のガラクタのことです。そこで今週の水曜日は天気が良く、暖かだってので息子は「外でご飯食べよう!」と言い出しました。

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義母が「それで庭にシートを敷こうか?」と言うと息子が「風が強くてシートは駄目だよ!」と主張。車庫から折りたたみ式のテーブルとイスを運び出しました。「ん~、考えるようになった・・・。」と小生は感心しきり・・。

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食事は緊急時用の食事の試食・・・。それでも息子は空を見上げて「気持ちいい~!」だってさ。

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庭のクマガイソウもたくさん咲いてきました。絶滅危惧種が庭ではどんどん多くなっていました・・。

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牡丹もあちこちで咲き、彩を添えています。

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もう庭にはアゲハチョウが舞っています。網を構えて待っていたら網に入ったのですが逃げられました。そう・・、捕るのはまだ早い!

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食後は鉢植えにあった椿を庭に植えました。

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メダカは義母が飼育係です。

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近所から頂いたメダカも一年近く生存していますが、数十匹いたのが現在は5匹のみ。この大きさだとそのくらいが妥当だったのかもしれません。

このメダカ飼育用に使っている甕を観て思い出したのが古備前の壺・・。

古備前という言い方は室町から桃山時代までに作られた作品を指すので、厳密には江戸時代以降の作品は古備前には当たらないようです。ただ一般的には混同されているようですが、評価は大きく変わります。また評価に大きく影響するのはその姿、形と持ち味によって違うようです。

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本日紹介する作品は室町時代中期の作と判断しました。

古備前波状文壷 その4 室町中期
誂箱
口径約113*胴径240*底径約148*高さ295

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600年くらい前に作られた古備前の作品における口の作りは玉縁と呼ばれる作りが多いでしすが、この時代の玉縁が最も力があり、そして姿、形では肩が張っているのが特徴です。

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これより古い物は肩がもっとすんなりしているようです。また室町期の作品は一般的に縦長で、丸い形状の作品は時代が下がります。

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備前の陶印はその大部分が共同窯に於いてその所属を明らかにするための窯印であって、その窯印には家号を用いており、丹波では共同窯の場合には各窯の部屋のよって区別しているため窯印の必要がなく、主として作者名が彫ってあるものとなります。

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備前焼に、彫られた窯印が見られる様になったのは、一般的には、室町時代中期以降であると言われています。即ち、大窯を共同で焚くようになって、各自の製品がわかる様に手印を入れたのが始まりであろうと思われます。

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窯印も後代になっては、その様な目的だけではなく、自己の製品の優秀性を表示する商標の如きものに変わってきたのでしょう。窯印の書かれた場所、大きさなども多様で、本作品のように室町時代のものは大きく、肩、胴部に彫っているものですが、時代が下がってくるに従って小さく、底部に彫られるようになります。

押印も桃山時代から見られるようになって、江戸中期以降は押印の方が彫印より多くなります。特殊なものに古備前大瓶の肩に彫られた窯印があります。

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口から肩にかけての波状の文様は、日常使うものでもデザインは魔除けの意味で彫られたものでしょう。これがある作品とない作品でh古信楽の作品のように大きく評価に差が出ます。

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古備前で下駄印があるのは極めて数が少ないようです。胴と底を別に作っているので、それをはめ込んだ跡が高台に残っている。

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古備前で下駄底の形状は室町初期~中期の古い手のものとなります。

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さて本作品は傷というかいわゆるニュウが入っていて水が沁みて漏れてきます。

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これを直すのはたやすいですが、実際当方で少し処理して沁みだす水を少なくしています。目いっぱい水を入れるとじんわりと上部にも・・・。

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これは賛否両論あるでしょうが、古備前では涼しげな景色と捉えることもできます。水をスプレーでわざわざかけるのは興ざめですが、自然に染み出してくるのほうがまだいいでしょう。

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むろん壺は見所があるや無しやが価値の分かれ目であり、形、焼け具合、自然釉薬の掛かり具合、文様の具合・・。

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本作品は大きさも30センチ程度と手ごろです。これ以上大きいと飾るにも邪魔になることがあります。

壺は空間にすとんと似合うことが大切で、ひと部屋にひと作品が肝要です。部屋の空間の大きさにあった大きさの壺が大事であり、所狭しと並べるのは愚の骨頂です。

焼け具合は火表と火裏で明確な違いがあることが面白味になります。また自然釉があったほうが景色は面白くなりますね。さらに文様は本作品のように肩にある波状の文様が二度掻かれていることでいい景色を成しています。

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石はぜもあったほうがいいですね。古信楽に負けない見所が多く、これほどの壺は珍しいと思います。

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壺にはほとんど素人ですが、少しずつ分かってきたような気がします。時代的な価値より美的感覚を大事にしたいですね。

古備前は夏が似合う。水をいっぱい満たして入れてど~んと置くのがいい。床の間に飾るのはなんか抵抗がある。メダカを泳がせ、ど~んと玄関に置いて四方から眺めるのがいい!!









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